ペットフードとペット用品を企画・販売するカラーズは、AI CROSSのAI需要予測・運用サービス「Deep Predictor」を導入する。2026年10月から、EC、通販、店舗、法人営業の4事業部の発注と在庫の管理に活用し、売れ残りと品切れを同時に減らすことを目指す。10月13日、AI CROSSが発表した。事前の実証実験(PoC)では、年間約1300万~3000万円規模の経済効果が見込めると試算した。
カラーズは、2000年の設立以来、オリジナルのペットフードの開発と販売、通販サイトの運営、直営店「GREEN DOG & CAT」やグルーミングサロンの展開など、ペットに関わる事業を手がける。ペットフードは、毎日の食事に欠かせず、品切れは飼い主の不安に直結する。一方で、多めに仕入れれば、賞味期限の管理や廃棄のリスクが高まる。欠品を防ぎたいことと、在庫を持ちすぎたくないことの両立が、課題だった。
これまでは、各販売チャネルの担当者が、表計算ソフトで実績データを集計し、経験をもとに需要を予測して、発注量を決めていた。予測の根拠が担当者の経験に頼り、属人化しやすい。データの集計、振り返り、予測の作成に、月約23時間の手作業がかかっていた。販売チャネルごとに予測の進め方が異なり、全社で共通の仕組みが求められていた。
実証実験を経て、Deep Predictorを使うことを決めた。決め手は三つある。一つ目は、自社の実際の販売データで、予測精度と業務への効果を、事前に検証できた点だ。二つ目は、実証実験の段階で、在庫の適正化や業務工数の削減により、年間約1300万~3000万円規模の経済効果が見込めるとの試算が得られた点だ。上限の値は、直近の販売傾向を重視した条件での試算になる。三つ目は、運用がシンプルな点で、実績データを取り込めば、数クリックでAIの予測値が自動で出力され、担当者は内容を確認するだけで済む。表計算ソフト中心の手作業から脱し、4事業部で共通の発注と在庫の管理の仕組みを整えられる。
期待する効果は、予測精度の向上による的確な発注、余剰在庫の削減、売れ残りによる廃棄と品切れの同時の抑制、月約23時間の手作業の大幅な削減と、担当者に依存しない仕組みへの移行だ。ただし、経済効果を含むこれらの効果は、カラーズの過去の販売データを使った実証実験に基づく試算で、実際の効果を保証するものではない。本格運用後の効果は、市場環境や運用条件によって変わる可能性がある。
今後は、2026年10月からの本格運用を通じて、4事業部の既存商品で、発注と在庫の管理の効果を検証する。過去の販売実績がない新商品の発売時にも、AI需要予測を使う範囲を広げる予定だ。