スポーツ、ライフスタイル、デジタルエンターテインメントを手がけるMIXIは、データブリックスの「Databricks Data+AI プラットフォーム」を、全社のデータ・AI基盤に採用した。分散するデータを統合し、従業員とAIエージェントの双方が、適切な権限管理のもとでデータを分析できる環境を整える。10月13日、MIXIが発表した。2026年6月から、全従業員を対象に導入している。
MIXIは、各事業で、サービスに適した形のデータ基盤を作り、分析や機械学習に活用してきた。生成AIの活用も社内で広がり、AIによる生産性の向上から、AIで事業価値を生み出す段階へと移りつつある。競争力の核の1つに挙げるのが、意思決定からユーザーに価値を届けるまでのリードタイム(TTM)の短縮だ。
ただ、複数の事業が自律的に開発と運営を進める中で、データは部署や個別のツールに蓄積されていた。全社を横断した比較や分析が難しく、意思決定のどこに時間がかかっているのかも、データで客観的に把握できなかった。データを必要とする従業員が、専門部門に抽出や分析を依頼して、結果を待つ流れも残り、問いが生まれてから意思決定に至るまでの時間を押し上げていた。生成AIやAIエージェントの活用が進む中では、人だけでなく、AIも、適切な権限のもとでデータを使える環境が要る。機密性の高いデータは、情報漏洩を防ぐ厳格なガバナンスを保ちながら、安全に活用できる基盤の構築が急務だった。
データの収集、統合、分析からAI活用、アクセス制御、利用状況の把握までを、一つの環境で進められる全社共通の基盤として、データブリックスのプラットフォームを選んだ。2026年6月から全従業員が使い、各事業での検証と、AI活用を見据えたデータ整備を進めている。すでに「モンスターストライク」では、データ基盤の移行を、生成AIで加速させるなど、事業の成果につながる活用が始まった。
主な取り組みとして、5項目を挙げる。各事業や社内ツールに分散するデータの統合と、全社での横断活用。データの権限管理と、生成AIやLLMの利用状況とコストの可視化による、ガバナンスの強化。AIアシスタント機能「Genie」やスプレッドシートとの連携で、専門部門に頼らず、従業員が自然言語でデータを分析すること。人と同じ権限体系のもとで、AIエージェントにも、役割に応じたデータ処理を担わせ、重要な判断には、人の承認を組み込むこと。TTMの自動計測と、データに基づく意思決定や業務プロセスの最適化だ。段階的に拡大し、人とAIエージェントが、データ分析からAI活用までを一体で進める全社基盤を築く。
執行役員CTOの吉野純平氏は「人とAIエージェントが、必要なデータに、必要な権限で、待ち時間なくアクセスできる状態をつくること」を目指すと話す。AIエージェントには、無制限の権限を与えず、誰の権限で、何の目的で、どのデータを使い、何を実行したかを確認できる環境を整える。いずれは、活用対象のデータの100%を、AIが使える状態にする考えだ。MIXIは、データ活用を一部の専門人材に閉じず、全従業員がデータに基づいて自ら判断する組織文化を育て、TTMを精緻に改善する仕組みを全社に定着させたい考えだ。