鹿児島県鹿屋市は、インフォマートの請求書クラウドサービス「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入した。9月20日、インフォマートが発表した。
鹿屋市では、2021年に策定した「鹿屋市役所スマート化計画」に基づき、デジタル技術を活用したDXを推進している。その一環として、年間約5万通に及ぶ請求書の処理業務のデジタル化を検討していた。
従来の請求書の処理業務では、各所属担当者が郵送または持参された請求書を受け取り、内容を確認した上で財務会計システムに入力、支出命令書を作成、印刷し、請求書を糊付けして各部署で印鑑(決裁)をもらい、最終的に会計部署での審査を経て支払いを行っていた。
こうした状況の中、請求書の処理業務の効率化が求められ、電子決裁の導入やオンライン申請の受付と併せて、会計事務もデジタル化を検討していた。しかし、他サービスでは、導入済みの財務会計システムと機能が重なる部分もあり、コスト面でも課題があった。
BtoBプラットフォーム 請求書は、財務会計システムとの機能の重複やコスト面などの課題をクリアしており、導入実績が多かったことから採用に至った。鹿屋市では、まず250社の取引先にBtoBプラットフォーム 請求書への登録を依頼し、2023年10月から運用を開始した。
導入により、電子請求書の受信、内容確認、財務会計システムへの入力、支出命令書の起票、上長、関係部署への回送といった一連の業務が電子化された。鹿屋市ではBtoBプラットフォーム 請求書の導入で、作業時間と手間の大幅な削減を実現した。請求書の電子化により、紙で届いた請求書をスキャンしてPDF化する手間や、会計部署に持参する必要がなくなった。また、支出命令書も電子化されたことで、紙への印刷や押印、決裁のために回覧する手間も省かれた。
2024年10月に予定されている郵便料金の値上げを契機に、鹿屋市では事業者の間で電子請求書への関心が高まると予想している。今後、職員と事業者の双方に電子請求書の有用性を周知していく。鹿屋市では現在、「鹿屋市役所スマート化計画」に代わり「鹿屋市DX推進計画」を推進しており、「手段ではなく目的で進めるデジタル化」「サービスデザイン思考の徹底」を基本的な考え方としている。この計画に基づき、市民や事業者の視点に立ち、行政サービスとして、より利用しやすい方法を選択できる環境の整備を目指す。