デンカ大牟田工場、ローカル5Gで工場デジタルツイン化を目指す

2024年12月12日09:05|ニュースCaseHUB.News編集部
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 デンカは、大牟田工場の一部にローカル5Gを導入し、2025年1月からエリア品質評価・試験運用を開始する。2024年12月11日、三井情報が発表した。デンカはDX推進による労働生産性の向上を目指しており、2026年3月末を目途に大牟田工場全体へローカル5G環境を構築していく。

 国内製造業では、労働人口の減少、技術継承問題や人件費の高騰といった問題が顕在化している。デンカは、デジタル技術やロボット技術を活用し、既存のプロセス改革によるビジネスモデルや組織の変革を図り、労働生産性の向上に取り組んでいる。その一環として今回、大牟田工場へのローカル5G導入と試験運用を開始する。

 ローカル5Gは、限られたエリアに専用の周波数が割り当てられることで、高速大容量・超低遅延・多数同時接続の特長をもつ5Gを自社の業務に活用できる。沿岸部に位置し、広大な敷地をもつデンカ大牟田工場内は、キャリア網の電波が届きにくく、これまで無線通信の利用が進んでいなかった。また、建屋の建て替えの度に、工事を要する有線インフラの敷設コストが課題となっていた。ローカル5Gの導入により、工場内の無線通信環境が整備され、ハンディターミナルをはじめとするモバイル端末の活用や、目視検針業務の効率化など、労働生産性の向上が期待できる。

 三井情報は、デンカ大牟田工場への全面展開を見据えて、2024年10月からローカル5Gシステムの設計、構築、導入を担当した。2025年1月から実施するエリア品質評価では、建屋が多く基地局アンテナからの見通しの利かない屋外のエリアカバー状況や、障害物となりやすい製造設備が配置された屋内への浸透評価を行い、工場全体へのローカル5G導入に向けた準備を行う。

 デンカ大牟田工場では、ハンディターミナルを用いた試験運用をはじめとして、DX推進・スマート工場化に寄与するローカル5Gの利活用を行い、将来的な工場内のデータ活用基盤の構築およびデジタルツインの実現につなげていく。

ニュースリリース