蒲郡信用金庫、顧客情報確認業務の効率化で職員・顧客双方の負担を軽減

2025年6月30日23:22|ニュースCaseHUB.News編集部
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 蒲郡信用金庫は、マネー・ローンダリング対策を目的に「SPIRAL ver.1」を基盤とした継続的顧客管理システムを採用した。スパイラルが、6月26日に発表した。

 愛知県と静岡県に44店舗を展開する蒲郡信用金庫は、法人顧客の属性情報や口座利用状況を定期的に確認する「継続的顧客管理」を推進してきた。従来は、回答用紙と履歴事項証明書の取得・提出を封書で依頼し、顧客からの返送を受けて内容を確認する運用だったが、職員・顧客双方に大きな負担がかかり、回答率も約4割と低迷していた。また、回答内容に不備があった場合には本部から営業店に個別指示書を作成し、営業店が顧客に来店依頼や訪問を行う必要があり、事務負担が重かった。

 こうした課題から、蒲郡信用金庫は顧客がWeb上で回答できるシステムの開発を検討。既に他部署で導入実績のあったSPIRAL ver.1の強固なセキュリティと費用対効果、担当者の対応姿勢への信頼を理由に、同製品を選定した。

 新システムでは、法人顧客がWeb上で認証し、必要な属性情報を入力できる。SPIRAL ver.1のデータベースに顧客リストを取り込み、法人ごとに発番される確認番号と庫内管理の顧客番号を用いてDM発送リストを作成。印刷会社である小林クリエイトが、確認番号や二次元コードを印刷したハガキを顧客に郵送する。顧客はハガキ記載の二次元コードから認証ページにアクセスし、確認番号・顧客番号と自身のメールアドレスを登録、ワンタイムパスワード認証後に回答フォームへ進む。

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継続的顧客管理システムの運用フローイメージ

 金融業界や顧客の性質上、メールアドレスを把握していないケースも多く、紙とWebを併用する運用を選択した。これにより、従来の封書による郵送がハガキに置き換わり、郵送費削減と双方の対応負担軽減、回答内容の精度向上につながった。さらに、Web入力により回答不備が減り、本部から営業店への指示も減少することが期待されている。

 導入後は、履歴事項証明書の提出を不要とし、回答収集も段階的に実施。現時点で回答期限まで2カ月あるが、既に3割近い顧客から回答を得ており、従来のペースを上回っている。回答形式変更に伴う顧客からの問い合わせもなく、運用は順調に進んでいる。

 蒲郡信用金庫は今後、法人向けに構築した本システムを個人顧客にも展開することを視野に、現場ニーズに寄り添ったシステム改良や業務改善を進めていく方針を示した。また、同様の課題を抱える金融機関への参考事例となることも期待している。

ニュースリリース


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