GMOインターネット、Dell PowerEdgeで生成AI基盤を強化

2025年6月30日23:29|ニュースCaseHUB.News編集部
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 GMOインターネットは、生成AI活用を加速するGPUクラウドサービスのインフラとして「Dell PowerEdge」サーバーを採用した。6月30日、Dell PowerEdgeを提供するデル・テクノロジーズが発表した。

 2025年1月にGMOインターネットグループのインフラ部門とメディア事業部門の統合により発足した同社は、先進的なICTサービスを展開している。近年、大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成AI技術をビジネスに活用する機運が国内企業で高まっており、従来から大規模シミュレーションなどに取り組むハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野でも、AIを加速するワークロードへの関心が強まっていた。GMOインターネットは、こうした市場の需要に応えるべく、新たなGPUクラウドサービスの開発に着手し、その基盤として高い性能と信頼性を備えたAIサーバーの採用を検討した。

 同社は、新サービス「GMO GPUクラウド」において、「NVIDIA H200 Tensor コア GPU」を用いたサービスを国内で最も早く提供することを目指していた。その中で、このGPUを8基搭載可能なデル・テクノロジーズのAIサーバー「Dell PowerEdge XE9680」が選定された。同社はこれまでも多岐にわたるサービスでPowerEdgeサーバーを利用しており、その性能や信頼性、拡張性を高く評価していたことが採用の決め手となった。

 今回の導入はPowerEdge XE9680が96台に上る大規模なもので、インフラ構築にはさまざまな工夫が凝らされた。1台あたりの重量が大きく、通常のサーバー設置とは異なる作業が求められたが、デル・テクノロジーズのキッティングサービス「ProDeploy Plus」を活用することで、安全かつ確実に据え付けを完了した。また、稼働後の不具合を未然に防ぐため、製品出荷時だけでなく納品後にもテストを実施するなど、きめ細やかなサポート体制が構築された。サーバーの排熱問題に対しては、数値流体力学(CFD)シミュレーションを用いてエアフローを最適化し、効率的な冷却環境を整えた。これらの綿密な計画と実行により、わずか6カ月という短期間で環境構築を終え、NVIDIA H200 GPUによるGPUクラウドサービスを国内で他社に先駆けて提供開始することに成功した。

 大規模なサーバー群の安定稼働と運用管理の効率化も実現している。デル・テクノロジーズのサーバー管理コンポーネント「iDRAC」を通じて、サーバーの電力消費量やプロセッサの温度、ファンの稼働状況などを詳細に監視し、最適な冷却を維持している。加えて、システム管理コンソール「OpenManage Enterprise」を活用することで、パッチ適用やファームウェア更新といった定常業務のスケジューリングを自動化し、管理者の作業負荷を大幅に軽減した。

 GMOインターネットの執行役員である牧田哲システム本部長は、「デル・テクノロジーズの支援により、AIの価値を最大限に引き出す強力なクラウドサービスを構築できた」と評価する。サービス利用者からの反響も大きく、PowerEdge XE9680の卓越した性能に加え、利便性や使い勝手の良さも高く評価されているという。その結果、自動車業界における自動運転技術開発や大手IT企業でのLLM開発、産業機器分野でのロボット基盤モデル開発など、幅広い領域で活用が進んでいる。


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