ドコモ、5G仮想化基地局でNECを選定、TCO削減や柔軟な設備構築へ

2024年9月9日08:25|ニュースリリース公開日 2024年2月26日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 NTTドコモは、5G無線アクセスネットワーク向け仮想化基地局(vRAN)ベンダーにNECを選定した。2024年2月26日にNECが発表した。今後、柔軟性と拡張性に優れたvRANをドコモに提供し、商用ネットワークでの運用が開始される。

 仮想化技術は、すでにコアネットワークへの導入が進み、装置コストの削減や調達リードタイムの短縮によるサービス早期導入を実現している。さらに、オーケストレーターによるネットワーク統合運用、管理の自動化や制御の最適化により、サービス品質と信頼性の向上にも貢献している。サービス内容やトラフィック状況に応じた効率的かつ自律的なネットワーク制御も可能となる。

 今回、この仮想化技術を5GのRAN領域に拡大することで、ドコモが目標とするTCOの30%削減、消費電力は最大50%削減することに貢献する。NECはこれまで、ドコモの4G商用サービス向けvEPCと5Gコア(5GC)に仮想化技術を提供してきた。RAN領域の仮想化を推進することで、ドコモの多様なサービス提供に柔軟に対応し、高品質な5Gネットワーク構築に貢献する。

 NECが提供するvRANは、O-RAN ALLIANCEが定めるO-RAN仕様に準拠したキャリアグレードの品質を実現している。クラウドネイティブで、大規模商用実績のある5Gハードウェア基地局の技術と知見をベースに開発された。最新世代のマイクロプロセッサを搭載した市販サーバーに対応したソフトウェアと、処理を高速化するハードウェアアクセラレーションの積極的な活用で、5Gの特長である高速、大容量通信を実現する。

 今回の選定により、ドコモは低消費電力化を推進し、顧客の要望に沿った柔軟で効率的な設備構築と運用が可能になる。ドコモは、NECをはじめとするOREX PARTNERSと共に、グローバル市場における真のOpen RAN展開を推進する。

 NTTドコモ 無線アクセスデザイン部 RAN技術推進室の増田昌史氏は、「導入当初よりO-RAN ALLIANCEが定める仕様を採用するドコモの5G無線アクセスネットワークに、無線技術、および仮想化技術の両方に優れたNECのvRANソフトウェアが加わることで、さらなる低消費電力化、および、お客様のご要望に沿ったより柔軟で効率的な設備構築、運用が可能になります。ドコモは今後とも、NECをはじめとするOREX PATNERSと共に、グローバル市場において真のOpen RANの展開を推進していきます。」と言う。

 また、NEC Corporate EVP 兼 テレコムサービスビジネスユニット長の木内道男氏は、「NECが有する通信インフラの仮想化技術を生かし、柔軟なネットワークの進化を実現する高品質で信頼性の高いvRANを提供します。NECは今後も、ドコモの5Gサービスの拡大を強力にサポートし、グローバル市場を含めた次世代モバイルインフラのさらなる発展に貢献していきます。」と言う。

 今回提供するvRANソフトウェアは、ドコモが世界の通信事業者やベンダーと連携して提供するOpen RANサービスブランド「OREX」を通じ、他のOREX PARTNERSの製品、サービスと同様にグローバルに展開される。これにより、Open RANエコシステムの創出と普及を促進することとなる。 

ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202402/20240226_01.html