滋賀県庁、全庁6000名に生成AIを提供 庁内データ活用で業務生産性を向上

2025年10月31日14:06|ニュースCaseHUB.News編集部
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 滋賀県は、職員約6000名を対象に、生成AIサービス「exaBase 生成AI for 自治体」の全庁導入を開始した。10月30日、同サービスの提供元であるExa Enterprise AIが発表した。県は2023年に生成AIを試行導入し、業務効率化の有効性を確認しており、今回、庁内独自のデータに基づいた回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation)の活用も開始する。これにより、組織全体の生産性を高め、県民サービスの質向上を目指す。

 滋賀県は、2023年の生成AI試行導入で業務効率化の有効性を確認した。本プロジェクトではその成果を踏まえ、汎用的な利用から一歩進んだ、生成AIの本格的な日常業務への組み込みを目指す。国内の県庁で43%のシェアを持つexaBase 生成AI for 自治体を全庁導入することで、音声ファイルからの議事録作成や文書要約、アイデア出しといった汎用業務の効率化を図る。さらに、庁内の規定や各種資料といった独自データと連携するRAG機能を活用し、業務との連携を深化させる。

 今回のプロジェクトは、Exa Enterprise AIとNTTドコモビジネスの2社による伴走支援のもと進められた。Exa Enterprise AIは生成AIサービスの提供や研修を担い、NTTドコモビジネスはサービス提供における計画策定や進捗管理を担う。支援内容としては、全職員を対象とした体系的な研修プログラムの実施と合わせ、各部署の業務に即したユースケースの創出支援が含まれる。6000名規模の大規模導入を円滑に進めるとともに、利用状況を分析し改善サイクルを回すことで、導入効果の最大化を図る方針だ。全庁的な本格運用と全職員向けの研修プログラムは、2025年10月から開始される。

 滋賀県 総合企画部 DX推進課長の馬場康宏氏は、生成AIは定型業務効率化に加え、革新的なアイデア創出や新たな可能性を提示してくれるものだと期待を示す。AIを良き相談相手として最大限に活用し、人間の創造力や共感力を発揮することで、施策の新規検討や高度化に注力していくと述べている。

ニュースリリース