大和ハウス・アセットマネジメント、6500件の契約書をContract Oneで一元管理

2025年9月29日17:35|ニュースCaseHUB.News編集部
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 大和ハウス・アセットマネジメントは、AI契約データベース「Contract One」を採用した。9月29日、同サービスを提供するSansanが発表した。約6500件の契約書をデータ化し、クラウド上で一元管理することで、物件単位での検索性を高め、アセットマネジャーの契約管理の負担を軽減。テナント交渉など本質的な業務に注力できる体制を整備する。複数のファンドを運用する上で厳格に求められる、ファンド間の情報統制にも対応した。

 大和ハウス・アセットマネジメントは、J-REITである大和ハウスリート投資法人や私募ファンドの資産運用、投資助言などを行う会社で、全国約250件の不動産を対象とした資産運用を行っている。不動産の資産運用では、契約期間が長期にわたり、原契約に対して後から複数の覚書や契約変更が発生することが多いため、契約管理の手間や工数がかかることが課題だった。また、複数のファンドを運用しているため、他部署などからの相互閲覧を制限する厳格な権限設定も求められていた。

 同社では従来、期日管理が必要な契約についてExcelで台帳を作成し管理していた。しかし、契約書本文を確認したい場合、台帳で契約書を目視で特定した後、該当のPDFファイルを一つひとつ探して内容を確認する必要があり、検索に手間がかかっていた。こうした課題を解決し、効率的かつ内部統制が担保された契約管理体制の構築を目指し、同社はContract Oneを導入した。

 導入により、約6500件の契約書をデータ化し、クラウド上で一元管理する。データ化された契約書は、原契約と関連契約が自動でひも付き、取引先との契約の変遷や全体像を一目で把握できるようになった。

 複数のファンドを運用する上での情報統制については、オプション機能の「グループ企業管理」を活用し、契約書の閲覧可否を部署ごとに分けて権限管理を実施する。これにより、利便性を維持しつつ、適切に情報を統制できる環境を構築した。

 業務効率化の面では、Contract Oneの「拡張項目のAI自動入力」機能に着目した。この機能で契約書本文から「物件名」をAIで自動抽出し、物件単位で契約書を一覧化、検索、把握できるようにした。また、契約更新期限を自動で知らせるアラート機能も活用し、早い段階で期限を検知できるようにしている。これにより、アセットマネジャーは契約更新の判断や作業が余裕をもって進められ、テナント交渉など本来の業務に多くの時間を費やせると見込む。

 大和ハウス・アセットマネジメント 経営管理本部 ウェルビーイング部 総務人事グループ マネジャーの片山航洋氏は、従来、契約書管理が属人化し、契約内容の照会が煩雑で、Excelでの管理による入力ミスや更新漏れのリスクもあったと指摘する。同氏は「Contract One導入後は、入力と期日管理を自動化し、工数削減やミス防止体制を構築している。契約書の一元管理や検索性向上も実現した。今後は社内利用を拡大し、全社的な生産性向上を目指す」とコメントしている。

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