早大演劇博物館、AI-OCRで館報をテキストデータ化 業務・研究効率向上図る

2025年9月27日17:15|ニュースCaseHUB.News編集部
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 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、所蔵する館報の検索性向上とデータ利活用を目的に、AI-OCRソフトウェア「FROG AI-OCR」を採用した。9月25日、FROG AI-OCRを提供するモルフォAIソリューションズが発表した。旧字や旧仮名を含む過去の館報をテキストデータ化してキーワード検索を可能にし、業務負荷の軽減や研究効率の向上を図る。

 同博物館は1928年に設立され、翌1929年から継続的に「演劇博物館 館報」を発行してきた。その数は125号にのぼるが、大半が紙媒体のみで存在し、テキスト情報を持つデジタルデータは近年の数号に限られていた。紙のままでは、過去の展示やイベントに関する情報を探す際に多大な時間を要することが課題となっていた。

 2028年に開館100周年を迎えるにあたり、同博物館はこれらの館報をテキストデータ化して活用する構想を立てた。館の歩みを可視化するだけでなく、日本の演劇史研究に資するデータベースとしての活用を目指している。この構想の実現には、精度の高いテキストデータや透明テキスト付きPDFの作成が不可欠であるとして、複数のソリューションを検討した結果、FROG AI-OCRの採用を決定した。

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創刊号目次の解読イメージ(出典:モルフォAIソリューションズ)

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創刊号本文の解読イメージ(出典:モルフォAIソリューションズ)

 FROG AI-OCRは、近代の書籍や資料に多い旧字・旧仮名や、縦書きと横書きが混在する複雑なレイアウトの読み取りに強みを持つ。同ソフトウェアを活用して館報の透明テキスト付きPDFを作成することにより、紙媒体では困難だったキーワードによる全文検索が可能になる。これにより、目的の記事を探す際の業務負荷が飛躍的に軽減されるだけでなく、研究効率の向上や、展示・教育活動におけるデータ活用の促進といった効果が期待されるとしている。

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