三好不動産、75年分の管理・売買データをSnowflakeに集約 社員600人超が自ら分析

2026年9月29日13:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 三好不動産は、賃貸管理や売買のデータを分析する基盤を構築し、全社員600人超が必要なデータに自らアクセスできる環境を整えた。データウェアハウス(DWH)にはAIデータクラウド「Snowflake」を採用し、構築パートナーにBeeXを選んだ。9月28日、BeeXが発表した。システムごとに分散していたデータを集約し、特定のエンジニアに集中していたデータ抽出の作業も、AIの支援で属人化を減らした。今後は連携するデータの範囲を広げる。

 三好不動産は、福岡都市圏を中心に不動産管理や賃貸仲介、売買仲介などを手がける総合不動産会社。管理戸数は約4万5000戸で、年間約1000件の売買データも持つ。蓄積したデータを新規事業の創出や収益向上につなげたい考えだったが、データはスクラッチ開発の不動産管理システムや賃貸物件管理用のSalesforceなどに分散していた。データの取得にはシステムごとにSQL文の作成が必要で、対応できるエンジニアは社内に1人しかおらず、分析できる社員も一部に限られていた。

 同社は2024年10月にデータ解析センターを新設し、データを自動で連携・蓄積する分析基盤の整備に着手した。当初はAWSの「Amazon Redshift」でのDWH構築を構想し、過去にAWS移行を依頼したBeeXに相談。その過程でSnowflakeの提案を受けた。環境構築の多くをAIに任せられる点や、画面上での設定・スケール変更のしやすさ、保守性を評価した。簡易PoCでは、最低ランクの性能設定でもBIツール「Tableau」の描画が他の環境より大幅に速いことを確認したという。

 構築パートナーは複数のベンダーを比較して決めた。BeeXの提案はSnowflakeを中心に約100本のデータ連携パイプラインの構築まで含んでいた。一方、他社の提案はパイプラインが数本程度で、拡張時に大幅なコスト増が見込まれたため、BeeXを選んだ。運用負担を大きく軽減できる点も判断材料になった。

 2025年12月に構築を始め、半年で設計・開発・テストを終えて2026年5月1日に本稼働した。不動産管理システムのSQL ServerやSalesforce、Amazon S3の物件掲載情報を、ETLツール「TROCCO」経由でSnowflakeに連携し、Tableauから参照する構成だ。個人情報を扱うため、Snowflakeへの接続経路はTROCCOとTableauの2系統に限り、ネットワークポリシーでアクセスを制御した。変更履歴を日次差分で永続的に保存する仕組みも設け、過去の市場変化を後から検証できるようにした。

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データ分析基盤の構成イメージ

 稼働後は、全社員がTableauでデータにアクセスでき、管理戸数や入居率などの指標を示すダッシュボードを順次公開している。SQL文の作成は、データ解析センターの職員が自然言語で指示するとSnowflakeのAIアシスタント機能がSQL文の下書きを生成し、複雑な部分だけをエンジニアが確認・修正する形に変わった。経験の浅い職員も分析用のデータ群(データマート)を素早く作れるようになった。Tableauの社内ハッカソンは2回開き、ダッシュボードを作って発表する社員は15人から25人に増えた。

 今後は名刺情報や人事・勤怠データなど、連携対象を段階的に広げる。経理データとの連携も実現した。AIエージェントとの連携や、社内に散在する物件情報の名寄せにも着手している。2026年10月に始まる中期経営計画に合わせ、経営層・事業戦略・部門向けに三層構造のダッシュボードも整備する。

 三好不動産の笠清太取締役は「データ分析基盤の整備により、データを生きた情報に変える第一歩を踏み出せた。今後は、当社が保有する民間賃貸住宅マーケットのデータなどを活用し、新サービスの創出やマーケット分析データの外販など、データの価値を活かしたビジネスに発展させたい」と話している。

ニュースリリース