はるやま商事は、請求書発行から入金消込までをデジタル化するクラウドサービス「BP Storage for 請求書 発行」を採用した。9月9日、インフォマートが発表した。店舗側の入力手順を変更することなく、毎月の請求書発行にかかる作業時間を約70%削減したほか、承認プロセスの電子化によって内部統制の強化を図った。
はるやま商事は岡山県を創業の地とするアパレル企業で、「スーツのはるやま」をはじめとしたビジネスウェアなどの店舗をグループ全体で全国に363店舗展開している。BtoC事業を中核としながら企業の制服受注などBtoB取引も手がけており、法人取引に伴う請求書発行が毎月約130件発生していた。
これまで同社では、店舗や営業部門が社内システムに入力したデータを経理財務部の担当者がExcel形式でダウンロードし、紙に印刷したうえで管理者の押印を経て郵送する手作業を続けていた。全体の業務量に占める割合が低かったことからシステムの刷新が後回しになっていたが、月末に作業が集中して印刷や封入に数時間を要していた。さらに郵便配達の日数増加に伴い取引先から店舗へ請求書未着の問い合わせが増加し、個別対応が現場の負担になっていた。また、決裁書類の滞留による承認作業の負担や、業務の属人化からの脱却、内部統制の強化も課題となっていた。
システム選定にあたっては、約2000人の従業員が利用する既存の社内グループウェア側の入力手順を変えずにデータ連携できる柔軟性を評価した。BtoB取引のために新たな入力システムを全社展開して操作教育を実施する負担を回避できたことが決め手となった。また、アカウント単位の課金ではなく処理件数に応じた料金体系であった点や、帳票フォーマットの個別カスタマイズに対応できた点も評価した。
新システムの稼働により、店舗や営業の担当者は従来通り社内システムに請求データを入力するだけで、経理部門がCSVデータをBP Storage for 請求書 発行に取り込むことで処理が完了する運用へ移行した。取引先にはPDFを添付した電子メールが送信され、紙を希望する取引先には郵送代行が自動で手配される。
これにより、従来は毎月10時間かかっていた請求書発行の作業時間を3時間に短縮し、約70%の削減を達成した。郵送代行やメール送信機能の活用によって郵送費などのコストも約35%削減した。取引先へのメール送信時には店舗担当者へも同報送信されるため、店舗側で発行状況を即座に把握できるようになり、未着問い合わせや経理への確認業務が減少した。また、手作業による出社対応が不要となり、在宅勤務への移行など柔軟な働き方にもつながっている。
ガバナンス面では、紙への押印を廃止してシステム上でデータを登録・編集する担当者と承認する管理者の権限を完全に分離した。これにより二重チェック体制が確立され、誤送信や不正を防ぐ内部統制の強化が図られた。
はるやま商事では、今回の請求書発行の電子化によって経理周辺のペーパーレス化が一区切りを迎えたとしている。今後は創出された時間を活用し、生成AIをはじめとする最新のIT技術を取り入れながら、業務の生産性向上や顧客体験の向上に向けた取り組みを推進する。