カワムラサイクルは、nocoが提供するAIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」を採用した。9月9日、nocoが発表した。膨大な製品ナレッジや社内FAQを一元管理し、情報検索にかかる時間を短縮して業務の効率化を図る。今後は顧客から寄せられる声を社内ナレッジに反映させ、カタログやウェブサイトを通じた情報発信の強化につなげる。
カワムラサイクルは、手動式やリクライニング式、姿勢保持用、オーダーメイドなどの車いすを中心に、歩行器をはじめとする介護周辺用具の製造販売を手がける福祉用具の専門メーカーだ。製品の企画開発から製造、販売、アフターサポートに至るまで、多様な部門が連携しながら事業を展開している。
同社が扱う車いすは車種やサイズ、仕様の組み合わせが多岐にわたり、利用者の身体状況に応じた適切な選定や調整に関する深い専門知識が求められる。そのため、製品仕様や適合条件、受注および納期の規定、各種社内手続きや業務手順など、全社で共有すべき情報量は膨大だった。加えて、担当者によって製品の呼称や検索ワードが異なることや、新たに配属された社員が専門知識を短期間で習得しなければならない点も業務上の課題となっていた。
これまで同社では、検索性の向上を図るために複数に分散していた製品ナレッジを一つのExcelファイルへ集約し、一元管理を行ってきた。しかし、取扱製品の拡充に伴ってデータ量が大幅に増加し、ファイルの起動や検索操作に長時間を要する事態が発生。日常業務において社員の誰もが必要な情報へ迅速にたどり着ける、検索性能の高い新たなナレッジ基盤の整備が求められていた。
システムの選定にあたっては、情報の更新性と検索性能、拡張性を重視した。具体的には、頻繁に寄せられる問い合わせをFAQ記事として蓄積できるだけでなく、検索してもヒットしなかったキーワードを可視化することで不足している知識を特定し、新製品の発売や仕様変更時にも情報の鮮度を維持しやすい運用設計を評価した。さらに、担当者ごとの呼称や型番の表記ゆれをAIが自動で吸収する「先回りスマート検索」を備えており、大容量のファイルを開くことなく短時間で該当情報にアクセスできる点も評価した。また、ヘルプドッグがユーザー数無制限の料金体系を採用しており、人員増や利用部門の拡大に伴う追加費用を気にせず全社で継続利用できる点も決め手となった。
今回のシステム刷新により、全社で活用する業務ナレッジや社内FAQの共有基盤としてヘルプドッグの運用を進める。情報探索にかかる工数を削減することで、現場が個々の利用者に適した福祉用具を提供する本来の業務に注力できる環境を整える。
カワムラサイクルマーケティングSECの轟木有希氏は、「業務に必要な情報をExcelで管理していたが、データ量の増加に伴い起動や検索に時間を要していた。ヘルプドッグは検索語があいまいでも目的の情報に届く点が現場の感覚に合致しており、記事作成の負担も軽減できる。情報探索の時間を削減できた分、利用者に適した車いすを届ける本来の業務に注力できる」としている。
今後は、顧客から寄せられる問い合わせや要望といった顧客の声を社内FAQへ迅速に取り込み、全社での共有と活用を進める。蓄積したデータを製品カタログや公式ウェブサイトのコンテンツ改善へ反映させ、顧客視点での情報発信を強化するとともに、社員の誰もが迷わず目的の情報に到達できる環境整備を推進する。