八十島プロシードは、営業活動の可視化と記録業務の効率化を目的に「ベルセールスAI」を採用した。3月11日、ベルセールスAIを開発・販売するベルフェイスが発表した。Salesforceへの入力負荷を軽減し、蓄積したデータを客観的な営業指導に活用できる組織体制の構築を目指す。
八十島プロシードは、3Dプリント受託や樹脂切削加工などのプラスチック部品製造受託を展開する企業。同社では事業拡大に伴い、顧客管理システム(CRM)であるSalesforceへの活動記録入力が負担となっていた。入力に時間を取られ、本来注力すべき顧客提案に十分な時間を割けない課題があった。また、記録の内容が担当者の主観に依存するため、実際の面談内容と乖離が生じたり、人によって解釈に差が出たりするなど、データの質にばらつきが生じていた。専門性の高い事業特性から営業担当者の育成に10年を要し、教育がOJT中心で個人のスキル差が大きいことも課題だった。
こうした「入力は定着しているが、データがマネジメントに活かせていない」状況を打破するため、ベルセールスAIの導入を決めた。選定にあたっては、AIが商談の会話から必要な項目を高精度に抽出し、Salesforceへの入力を自動化できる点や、スマートフォンやPCアプリで簡単に操作できる使い勝手の良さを評価した。
導入の結果、面談後の議事録作成時間は80%削減され、社内会議の議事録作成に至っては90%の削減を実現した。入力のハードルが下がったことで、面談時にシステムを起動する習慣が社内に定着した。また、Salesforce上に専用のオブジェクトを作成し、その日の面談結果を一覧で把握できる環境を構築した。これにより、面談後のタスク漏れを防止し、顧客対応の質向上につながる好循環が生まれている。
営業力の強化面でも効果が現れている。AIによる客観的な記録と自身のメモを照らし合わせることで、営業担当者が聞き逃しや認識の違いに自ら気づけるようになった。マネージャーも具体的な根拠に基づいて「ヒアリングが十分か」といった指導が可能になった。実際に、従来は把握しきれなかった詳細な顧客ニーズを記録できたことで、的確な提案を行い受注獲得した事例も出ている。
今後は、英語モードを活用した海外営業部門への展開や、SalesforceのAIエージェント機能「Agentforce」の導入も視野に入れ、営業プロセスの自動化をさらに推進する方針だ。
八十島プロシード営業本部統括責任者の久保拓也氏は、従来はOJT教育に偏り個人のスキル差が大きいことが課題だったと指摘する。ベルセールスAI導入後は、担当者が自らの聞き逃しに気づける環境が整い、マネージャーも具体的な根拠に基づいた指導が可能になった。Salesforce連携で入力工数も大幅に削減され、社内会議での活用も広がるなど浸透が進んでいると感じている。今後はさらなる変革を加速させていきたいと話している。