新潟県津南町は、2025年10月に開設した津南町埋蔵文化財センター「うもれあ」に、バッファローの法人向けWi-Fiアクセスポイントを導入した。バッファローが発表した。施設内の安定したネットワーク環境を整備することで、来場者がスマートフォンなどで詳細な展示解説を閲覧できる環境を整えたほか、学芸員の調査研究業務の効率化を図っている。
津南町は信濃川流域に位置し、縄文時代の始まりをめぐる「本ノ木論争」の舞台として知られるほか、苗場山麓ジオパークなどの豊かな地勢環境を有している。新設されたうもれあは、町内に点在していた埋蔵物を集約し、膨大な出土品を調査、研究、展示するための知の拠点として位置づけられている。同施設は展示エリアだけでなく、学芸員の研究エリアや地元小中学校の校外学習の場としても活用されている。
導入の背景には、展示の理解を深めるためのデジタル活用と、業務環境の改善という二つの課題があった。同施設では、出土した火焔型土器や復元された実物大の竪穴式住居などを展示しているが、展示品の説明としてWeb上の詳細な情報を参照してもらうためのQRコード活用を計画していた。そのため、館内のどこにいても確実にインターネットにつながる環境が不可欠だった。また、学芸員などの職員が調査研究を行う際、場所を問わず自由にネットワークを利用できる環境を構築し、作業効率を高めたいというニーズもあった。
機器の選定において重視されたのは、縄文時代の世界観を損なわないデザインと、展示環境に配慮した静音性だ。津南町教育委員会文化財班長の涌井昇氏は、展示室には当時にない機械が視界に入る違和感を減らしたかったと話す。目立たず、かつ必要な場所で確実に接続できることが重要だったという。
システム構成では、メインのアクセスポイントとしてWi-Fi 6対応の「WAPM-AX4R」を採用したほか、研究エリアには「WAPS-AX4」を設置した。選定にあたっては、販売店のスノーランドとバッファローの担当者が事前に現地調査を行い、適切な設置台数と場所を調整した。また、機械の作動音が展示の妨げにならないよう、ファンレス設計のPoEスイッチ「BS-GSL2016P」を組み合わせることで、静粛な鑑賞環境を維持している。
導入の効果として、来場者は自身のペースでQRコードから詳細な解説を読み、深く展示を堪能できるようになった。考古学愛好者からは、内容が充実しており半日かけても回りきれないとの声も上がっている。職員側も、調べ物のたびにパソコンのある自席に戻る必要がなくなり、館内のどこでも業務を行えるようになった。
運用の面では、リモート管理サービス「キキNavi」を導入した。これにより、販売店が遠隔地から機器の状態を監視できる体制を構築しており、万一のトラブル際にも迅速な対応が可能となっている。
今後は、Wi-Fi環境を活用した音声ガイドの提供も検討している。涌井氏は、QRコードで表示させる詳細な解説により考古学ファンの聖地としても存在感を示しているとした上で、将来的にはさらに充実した展示体験を提供したいと考えている。