パナソニック デジタルは、パナソニックグループの社内システムを支える統合データベース基盤として、Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用した。5月11日、パナソニック デジタルが発表した。グループ内でのリプレイス需要に対応し、拡張性の高いクラウド基盤への移行を進めることで、全体最適の設計と大幅な運用コストの低減を図る。
パナソニック デジタルは、2026年4月1日に設立された、パナソニックグループのIT事業を集約した新会社だ。旧IT関連3社(インフォメーションシステムズ、ソリューションテクノロジー、ネットソリューションズ)を統合し、製造業のDX、グローバルERP、ICT基盤構築、セキュリティなどを一気通貫で提供する。
同社は、これまでオンプレミス環境の「Oracle Exadata」を中心に大規模な統合基盤を運用してきた。しかし、各システムのハードウェアやOSの保守期限が迫っていたことや、将来の事業成長を見据えたアジリティ(俊敏性)と拡張性の確保が急務となっていた。これを受け、パナソニックグループのDX推進方針「PX(Panasonic Transformation)」の一環として、クラウドを適材適所で活用するITモダナイゼーションへと舵を切った。
OCIの選定にあたっては、オンプレミス同等の高い性能と可用性を維持しつつ、他社クラウドと比較して通信コストや仮想サーバーの利用料が安価に設定されている点を評価した。特に、オンプレミスとクラウド間の通信費用が抑えられていることで、移行時のコスト見積もりが立てやすく、全体的なコストパフォーマンスに優れていることが決め手となった。
システム移行においては、同社のDB基盤課がハブとなり、アプリケーション部門と密に連携する内製体制を構築した。国内の家電販売情報を一元管理する最大規模の「販売統計分析システム」の移行では、1年以上の定例会を通じて課題を解消し、データベースのみならずアプリケーションサーバーや負荷分散装置を含めた全面クラウド化を完了させた。
OCIへの移行により、各システムで10〜50%のコスト削減が確認されている。中でも販売統計分析システムでは、年間7000万円のコスト削減を実現した。2026年2月時点で、サーバー168台、容量540TB、25を超えるシステムがOCI上で安定稼働しており、CPUリソースを無停止で増減できるクラウドならではの俊敏な運用が可能となった。
今後、パナソニック デジタルは自社グループ内での豊富な構築・運用ノウハウを活かし、グループ外の顧客に対してもOCI導入支援サービスを提供していく。