富士通は、顧客からの問い合わせ対応を効率化し、顧客満足度を向上させるため、「Agentforce」を導入した。セールスフォース・ジャパンが1月20日に発表した。
富士通Salesforceサポートデスクでは、問い合わせ件数の増加やサポート対象範囲の拡大に伴い、オペレーターのスキル向上や、限られたリソースで高品質な顧客対応を実現することが課題となっていた。オペレーターが緊急度の高い問い合わせに集中できるよう、AIを活用した解決策を模索していた。
同社はこれまで、Salesforceの「Service Cloud」で顧客からの問い合わせを管理し、生成AI機能である「Einstein for Service」を活用しコンタクトセンターの効率化を図っていた。また、「Experience Cloud」サイトを通じて、顧客サポートを提供していた。
今回導入したAgentforce for Serviceは、AIエージェントが24時間365日、過去のナレッジや蓄積された情報を活用し、問い合わせに自律的に対応する。これにより、顧客は必要なタイミングで迅速な回答を得られるとともに、オペレーターはより高度な問題解決に注力できるようになる。
導入前の検証では、これまで利用していた「Einstein Bot」と比較して、Agentforce for Serviceではより少ない手順で正確な回答が得られると確認された。具体的には、Einstein Botでは8回のやり取りが必要だったが、Agentforce for Serviceは1回で問題が解決した。この結果から、本番環境での採用を決め、現在、月間問い合わせ数の約15%をAIエージェントが対応できる体制の構築を目指している。
富士通グローバルビジネスアプリケーション事業本部本部長の桐生 卓氏は、「自社でのAgentforceの活用を通じて顧客満足度の向上を目指すとともに、当社のAIサービスのコア技術として開発しているLLM『Takane』および『Fujitsu Kozuchi AI Agent』との連携やこれまでの実績と得られた知見を活かし、力強いパートナーとして、お客様のビジネス拡大と企業変革に貢献していく」と述べている。