AGSは、メインフレーム上の簡易言語「EASY」で構築された保険業務管理システムのオープン化に向け、キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)のマイグレーションサービスを採用し、EASY資産をCOBOLに変換した。10月10日、キヤノンITSが発表した。
りそなホールディングスの前身である協和銀行と埼玉銀行の経営統合の際に誕生したAGSは、銀行をはじめ一般企業や自治体に向け、システムコンサルティングからアウトソーシングなどのサービスを提供している。
AGSの保険業務管理システムは、1980年代に最初のシステムが構築され、1999年の刷新を経て現在まで運用を続けてきた。しかし、システムの中核を担う国内メーカー製メインフレームが2030年度で製造、販売を終了すると発表されたことを受け、AGSはオープン化を検討している。しかしシステムのプログラム資産には、EASYで記述されたものが多数存在し、オープン環境への移行は容易ではなかった。そこでAGSは、将来のオープン化を見据え、まずは現行のメインフレーム上でEASYをCOBOLにマイグレーションすることを決めた。
内製での対応やオフショア開発ベンダーへの委託、マイグレーションサービスの利用など、複数の方法を検討した結果、AGSはキヤノンITSのマイグレーションサービスを採用した。選定理由は、EASY資産のマイグレーションにおける豊富な実績と体制、提案力、高品質なツールを用いた精度の高い変換、個別要件に対応可能なツールカスタマイズの柔軟性などである。
キヤノンITSは、AGSの記述特性に合わせたツールのカスタマイズを実施することで、手修正をすることなく本番環境へ適用可能なCOBOLを提供した。プロジェクトは計画通りの期間で完遂し、メインフレーム上の資産をCOBOLに統一することでライセンス費用の低減も実現している。AGSは、今回の取り組みによって将来のオープン化に向け大きな一歩を踏み出せたと評価している。