三島信用金庫、生成AI基盤で問い合わせ半減 全職員のAI活用を促進

2025年7月30日11:32|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三島信用金庫は、業務プロセスの革新を目的に、Allganize Japanの生成AIプラットフォーム「Alli LLM App Market」を全庫的な活用基盤として採用した。7月30日、Alli LLM App Marketを提供するAllganize Japanが発表した。社内文書を基に回答を自動生成する仕組みを構築し、電話での問い合わせが半減するなど業務効率化を実現。今後は生成AIの活用範囲を拡大し、地域金融機関としての新たな付加価値創出を目指す。

 静岡県東部・伊豆半島を拠点とする三島信用金庫は、1911年の設立以来、地域密着型の金融サービスを展開している。近年は少子高齢化や働き手不足といった社会課題に対応するため、2024年度からの新中期経営計画「地域を未来に『TUNAGU』」のもとでDXを推進。これまでにない業務革新や、取引先のDXパートナーとしての支援強化を目指す中で、全職員が利用できる生成AI基盤の導入を決めた。

 以前、同行ではシナリオ型のチャットボットを導入していたが、FAQのメンテナンスに手間がかかり、情報の更新が滞るという課題を抱えていた。結果として職員に活用されなくなり、月間の質問件数が10件以下に落ち込んでいた。そこで、運用負荷を軽減できる新たなソリューションを検討する中で、Alli LLM App Marketを選定した。

 選定にあたり、ドキュメントを追加・更新するだけでAIが最新情報を基に自動で回答を生成できるため、FAQのメンテナンス作業が不要になる点を評価した。また、AIの回答とともに根拠となるドキュメントの該当箇所が明示されるため、エビデンスを重視する金融機関の業務に適していると判断。加えて、日本国内のサーバーで運用できる点や、信用金庫向けのセキュアなネットワークサービスに対応している点など、厳格なセキュリティ要件を満たしていることも決め手となった。

 導入後は、行内からの問い合わせが多い金融商品とIT関連の業務から活用を開始。社内ポータルや全職員に配布している業務用スマートフォンから、誰もが手軽にAIを利用できる環境を整備した。その結果、これまで1日に約30件あった商品関連の電話問い合わせが約半分に減少した。簡易な質問はAIが自動応答することで、担当者の業務負担が軽減された。ITリテラシーの差を問わず、全職員が自然に生成AIを業務に取り入れられる仕組みが構築できている。

 今後は、本部内の人事課や総務課など他部署へも活用を広げるほか、営業担当者の業務効率化にも生成AIの活用を検討していく。

 三島信用金庫の常勤理事で業務サポート部長の大村貴之氏は、「本プラットフォームの活用により、営業店から本部への問い合わせが減少し、職員が生成AIを利用するための基盤が整った。最新のデジタル技術を活用し、お客さまのニーズに応じた価値とサービスを提供することで、地域のお客さまの期待に応えていきたい」と話している。

ニュースリリース


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