ダイナシティ、人流分析AI導入でイベント検証を高度化 経験頼みの運営から脱却

2026年1月8日13:11|ニュースCaseHUB.News編集部
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 神奈川県小田原市の大型ショッピングセンター「ダイナシティ」を運営するダイドーフォワードは、人流分析AI SaaS「ミセシル」を採用した。1月8日、同サービスを提供するGROWTH VERSEが発表した。年間180回以上開催するイベントの効果検証にビッグデータを活用し、経験や感覚に頼らない施設運営の最適化を推進する。

 ダイナシティは、年間売上高330億円、年間来館客数1200万人を誇る神奈川県西エリア最大級の商業施設。WEST、EAST、WALKなど複数の館で構成される広大な敷地を持ち、地域コミュニティの核として多様なイベントを展開している。従来、パッサーカウンターで来館者総数は把握していたが、詳細な来館者属性や館内の回遊動態については、担当者の経験則に頼らざるを得ないという課題があった。

 そこで同施設は、客観的なエビデンスに基づき施策の精度を向上させるため、ミセシルを全社基盤として導入した。採用にあたっては、約3000万人の位置情報や購買データなどを掛け合わせた分析が可能な点に加え、カスタマーサクセスチームによる伴走型のレポート支援体制を評価した。

 導入後、イベントの効果検証において大きな成果を上げている。たとえば、子供向けキャラクター撮影会では、当初想定していたファミリー層だけでなく、子供を持たない20代から40代の層が大幅に増加していたことが判明。さらに、特定のコンテンツが従来の商圏を越えた広域集客を実現していることも可視化された。こうしたデータは、次回の企画立案や予算確保における重要な判断材料となっている。

 館内回遊の分析では、物理的に離れた館同士の移動状況や、フロア間の「縦の動き」を把握できるようになった。これにより、イベントによる4階フードコートへの波及効果などが数値で証明され、現場で何が起きていたかというストーリーの構築が可能になった。蓄積されたデータは、新規テナント誘致の際のリーシングブックにも活用され、客観的な数値による説得力の向上に寄与している。

 今後は、スーパーや映画館といったキーテナントを起点とした特定の「ゾーン」にフォーカスした分析を深掘りする計画だ。イベントがない通常時の顧客動線をベースラインとして把握することで、より自然で効果的な誘導策やスタンプラリーの設置場所検討などに役立てたい考えだ。

 ダイドーフォワード販促課課長の小林亜衣氏は、「ハウスカードの情報だけでは見えない『買わなかった客』や『カード未所持の客』の動きを正しく把握できる。感覚を確信に変え、改善のPDCAを回すために、ビッグデータは非常に強力な武器になる」としている。

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