四国化工は、人口減少に伴う深刻な人手不足への対策として、生成AIの全社導入と業務プロセスのデジタル化を完了した。プロジェクトの推進にあたり、ビジネスマッチングサービス「Ready Crew(レディクル)」を通じてマクニカをパートナーに選定した。2月10日、レディクルを運営するフロンティアが発表した。1年半でアナログな組織風土を刷新し、データ駆動型の経営基盤を構築した。
香川県東かがわ市に拠点を置く四国化工は、食品や医療向けの多層フィルムを製造するメーカーだ。同社が位置する地域は今後20年で人口が4割減少すると予測されており、社内でも10年以内に社員の約3割が定年を迎えるなど、労働力の確保が喫緊の課題となっていた。特に製造現場での若手採用は厳しさを増しており、DXによる省人化と業務効率化が不可欠な状況だった。
しかし、社内にはITやAIの専門知識を持つ人材が不足しており、変革の糸口を掴めずにいた。そこで、レディクルのコンシェルジュに相談し、製造業の課題解決に精通したマクニカの紹介を受けた。四国化工は、コスト要件以上に価値観の合致や伴走力を重視し、初回の面談で自社の課題を深く理解した提案を行ったマクニカをパートナーに選定した。
プロジェクトは2024年8月に管理職向けの生成AI研修から開始された。リテラシー向上を図るため、研修は一般社員にもオンラインで公開。現在は「Google Workspace」やAIアシスタント「Gemini」を活用する文化が定着し、若手からベテランまでが日常業務でAIを使いこなしている。特に「NotebookLM」を活用した月次報告の分析など、蓄積されたナレッジを経営判断に活かす体制を整えた。
同時に着手したのが、長年の慣習となっていた紙業務の撤廃だ。マクニカのコンサルティングを受けながら業務プロセスを可視化し、製造現場のチェックシートをGoogleフォームに置き換えるなどのデジタル化を進めた。タブレット入力によるデータ自動集計を実現しており、2026年度中には製造現場の完全なペーパーレス化が完了する見込みだ。
一連の取り組みにより、四国化工は「香川の中小企業」から、データを資産として活用するパッケージ分野のグローバルリーダーへの転換を目指している。今後は、デジタル化した製造・販売データを基に、サプライチェーン全体の最適化や新規事業の創出を加速させる計画だ。
四国化工経営企画室室長の中西観大氏は、「社内にリソースがなく足踏みしているリーダーこそ、レディクルを活用すべきだ。自力では辿り着けなかったであろうマクニカという最適解に出会えた。かつては情報を表に出さない経営をしていたが、これからはDXで生まれ変わった姿を発信し、若い世代のパワーが集まる企業へと進化し続ける」としている。