メディパル、富士通のAIで物流センターのピッキング作業を効率化
2024年9月9日08:00｜ニュースリリース公開日 2023年9月1日｜ニュース｜CaseHUB.News編集部
メディパルホールディングスの連結子会社であるメディセオは、2023年9月1日竣工の物流センター「阪神ALC」（兵庫県西宮市）に、富士通のAIを活用したピッキングシステムを新たに構築、導入した。
メディパルは、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever ～たゆまぬ変革を～」において「持続可能な流通の構築」を掲げ、新しい流通体制を構築している。その一環として、メディパルと富士通は、DXパートナーとして、医療用医薬品等のメーカーから物流センターへの入荷、および各医療機関や調剤薬局までの一連の配送工程における生産性向上を目的に、物流最適化の取組みを共同で進めている。
2023年3月には、物流センター「神奈川ALC」（横浜市戸塚区）に、富士通が開発したクラウドサービス「Picking Optimizer」を導入し、同ALCにおけるピッキング生産性が16%向上した。今回Picking Optimizerで培った技術を応用した富士通のAI（数理最適化技術）を「阪神ALC」へ適用し、さらなる生産性の向上を目指す。
阪神ALCに導入した本システムは、物流センター内に保管されている3万SKU（Stock Keeping Unit）を超える商品からオーダーに基づき、顧客別の納品箱に収納するまでのピッキング工程全体の効率化を目的としている。
ピッキング作業者は、複数の顧客向け納品箱に商品を収納するが、その際に同じ商品を一度にピッキングできれば、作業の集約が可能となり商品の搬送回数も最小となる。今回はこれを二つのAI（数理最適化技術）を組み合わせることで実現した。
一つは、複数の納品箱を作成する際に同時作業できる最適な組み合わせを探索、発見を可能とするAIで、作業の集約を実現する。そして、も一つのAIにより各種商品を格納している自動倉庫から、商品を納品箱に収納するピッキングステーションへ、商品格納オリコンを流す際の順序を最適化し、搬送時間を最小化する。その際には自動倉庫の配置やマテハン、および各種ロボットの処理性能を含めて計算処理している。
従来のALCではオーダーが入った順番に納品箱を作成し、出荷までに時間を要していた。一方、本システムでは一定のオーダー単位でAIによる最適化計算をすることで、出荷時間の短縮、ピッキング作業と搬送を効率化し、生産性を向上する。AIのほか、各種ロボットや自動化設備も含めて、ピッキング生産性は神奈川ALCの約5倍を見込んでいる。
メディパルは、本システムの阪神ALCへの導入を皮切りに、ピッキングシステムを採用している他のALCへもPicking Optimizerと合わせ順次展開を進める。また、富士通と連携しICTやAIを活用することで、さらなる効率化の早期実現を目指す。