朝日生命は、社内問合せ対応の効率化を図るため、PKSHA WorkplaceのAIヘルプデスク「PKSHA AI ヘルプデスク」を導入し、12月から一部署で検証を開始する。PKSHA Workplaceが2024年12月5日に発表した。2025年4月には全社展開を予定している。
朝日生命では、近年の少子高齢化や生産年齢人口の減少に伴い、数年後には多くのベテラン社員の定年退職による内勤職員数の減少が見込まれている。こうした状況下で、ナレッジマネジメント業務の効率化が課題となっていた。
朝日生命は数年前に営業現場から本社組織への問合せを目的にFAQシステムを導入していた。しかし、さらなる業務効率化を図るため、AIの活用を検討していた。
PKSHA AI ヘルプデスクは、既存のFAQシステムに加え、生成AIにより社内文書を検索して回答を生成するドキュメント検索機能を備えている。この機能により、問合せ対応範囲の大幅な拡張と、FAQの自動生成によるメンテナンス負荷の軽減を実現できる点が評価され、朝日生命はPKSHA AI ヘルプデスクの導入を決定した。
朝日生命は、社内での問合せ削減に向け、全部署の問合せ窓口での活用を視野に、12月より一部署での検証を開始する。社内で活用しているコミュニケーションツールであるMicrosoft Teams上に自動問合せ対応窓口を設置し、登録済みのFAQ及び社内ドキュメント検索を通じた自動回答を可能にする。自動回答ができなかった場合は、同システム上から有人窓口に取り次ぐ。
特にドキュメント検索機能による自動化の余地は大きく、現時点で朝日生命における業務遂行に必要なマニュアル類や事務手続要領書といった社内ドキュメントの数は3500を超える。これらの社内ドキュメントを調べる作業を生成AIに代替させることで、全社的に情報検索業務を削減し、生産性向上を実現することが期待されている。
朝日生命 デジタル戦略企画部の島田守氏は「PKSHA AI ヘルプデスクはFAQ型チャットボットに加え、生成AIが事前に登録した社内ドキュメントを検索して回答を生成するドキュメント型チャットボットによってユーザ自身の自己解決範囲が拡大する点、およびこれらの自動応答エンジンで解決できない場合にシームレスに有人チャットに遷移する点を評価した。この人間とAIの『協働』によって、全社的な労働生産性向上が実現することを期待している」とコメントしている。
朝日生命は、まずは特定部門での検証を終え、精度や活用方法の調整を行った上で、2025年4月に全部署・全社員が双方向で使えるAI窓口の設置を目指す。