日清製粉ウェルナがAIを活用して冷凍食品の需給管理を自動化

2025年2月5日11:09|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日清製粉ウェルナが、AIを活用した冷凍食品の需給管理を自動化するシステムを導入した。2月4日、グリッドが発表した。

 同社は、冷凍食品の製造において、受注や出荷、在庫などの情報を基に計画的な生産を行っている。製品は各地の倉庫を経由して店舗に納品されるが、需要や倉庫の在庫状況に応じ倉庫間で製品を転送して、安定的な供給を維持する必要がある。従来、これらの需給管理と配送に関する計画立案は、専門担当者が行っていた・計画予測の組み合わせは約1800パターンにも及ぶため、担当者の負担が大きく業務の自動化が求められていた。

 今回導入されたシステムは、日清製粉ウェルナが長年培ってきた業務ノウハウと、グリッドのAI技術を組み合わせて開発された。これにより、需給計画(製造計画)と在庫転送計画の自動策定が可能となった。

 具体的には、まず過去の出荷実績と受注実績から月次の販売数量の見込みを作成し、その見込みと現在の在庫数、工場の稼働スケジュールに基づいて需給計画が策定される。次に、各倉庫への配車依頼台数を決定する配車計画、さらに倉庫間の在庫移動数を決定する在庫転送計画が策定される。システムは、どの製品を、どの倉庫からどの倉庫へ、何ケース送るかを自動計算する。

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需給計画および在庫転送計画の自動策定のイメージ

 同システムの導入で、計画策定にかかる時間は従来の3日程度から1日程度に短縮された。また、日々の在庫転送明細作成時間も約2時間から約45分に短縮され、合計で月間50時間程度の業務時間削減が実現した。本システムは担当者が使い慣れた形式で計画を出力し、状況に応じて担当者自身による修正も可能だ。これにより、システムが完全自動である場合に起こりうる、突発的な事象への対応の難しさを解消し、急な需要変動などにも柔軟に対応できる。

 今回のシステム導入により、計画策定時間の短縮やオペレーションの効率化だけでなく、ノウハウの標準化による業務の属人化解消、担当者不在時のリスク低減が実現し、より安定した製品供給が可能になった。

ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000053978.html