商船三井が、AIを活用して船員配乗計画を効率化し、ワークライフバランスを向上した。商船三井と富士通が3月12日に発表した。最適化AI配乗計画システムは、両社で開発し、2025年から商船三井の船員配乗計画で活用する。
海運会社である商船三井は、多種多様な船舶を運航しており、各船に適切な資格や経験を持つ船員を、乗船期間や休暇期間、船のスケジュールといった多くの制約条件を考慮し配置する必要がある。従来、配乗計画担当者は、個別に管理されたデータベースから必要な情報を抽出し、手作業で計画を作成していた。このため、計画の作成には多くの時間と労力を要し、船員の乗船期間や休暇付与期間に偏りが生じることもあった。
商船三井は船員のワークライフバランスを尊重しつつ、より効率的で最適な配乗計画を実現するために、AI技術の活用を決めた。富士通が持つ数理最適化技術とAIに関する知見を基に、両社は共同で最適化AI配乗計画システムを開発した。
本システムは、配乗に必要な複雑な要素を加味した上で、AIが配乗計画を支援する。顧客ごとのニーズに合致した配乗計画、船員の年間乗船期間や休暇付与期間の平準化し、船員の結婚や出産といった個人のイベント時期に休暇を取得しやすい配乗計画の実現の3点が特長となっている。
商船三井は船員にとって重要な連続乗船期間の短縮化や十分な休暇付与といった、ワークライフバランスの改善に繋がる配乗計画の最適化が可能となる。さらに、これまで数時間を要していた計画作成時間も、約7割削減できる見込みだ。本システムは、2025年5月以降の業務適用に向けて最終フェーズに移行する予定だ。
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