大和証券は5月24日、相場操縦などの不公正取引を監視するコンプライアンス業務で、AIを活用した審査を開始したと発表した。NECの「AI不正・リスク検知サービス for 証券」と、大和総研が開発した「AI不公正取引検知モデル」を導入し、不公正取引の審査体制の強化を図った。
NECのAI不正・リスク検知サービス for 証券は、不公正取引の審査業務を支援する証券業界向けのクラウドサービスとして2020年から提供されている。分析結果の根拠を可視化できる説明可能AI「異種混合学習技術」を活用し、全ての取引データを対象として不公正取引の可能性を高精度にスコアリング。その判定理由も出力する。審査担当者のリソースを、より複雑かつ高度な不正手口の調査・分析に充てることが可能になるという。大和証券は2023年3月にこのサービスを導入し、売買審査業務で活用している。
一方、大和総研は、証券システムの開発・運用などで培った知見とノウハウを基に、23年3月に新たな売買審査システムを開発し、大和証券が利用を開始している。今回、売買審査システムの一機能として、機械学習モデルと複数の深層学習モデルを組み合わせてAI不公正取引検知モデルを開発した。大和証券の審査ノウハウを反映させた独自のデータ拡張技術を使い、検知能力の網羅性と安定性の向上に継続的に取り組んでいるという。大和証券は24年4月にAI不公正取引検知モデルの利用を開始している。
ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202405/20240524_01.html