ピジョン、商品開発の迅速化と合意形成強化を目的にパッケージデザインにAIを活用

2025年4月17日23:36|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ピジョンは、新商品「ぎゅぎゅっと野菜」シリーズのパッケージデザイン開発において、商品開発の迅速化と関係部門間の合意形成強化を目的に「CrepoパッケージデザインAI」を採用した。デザイン×AIシステムを提供するプラグが4月17日に発表した。

 ピジョンは、2025年5月12日に発売予定の「オレンジのぎゅぎゅっと野菜」「赤のぎゅぎゅっと野菜」のパッケージデザイン開発において、従来のデザインプロセスに課題を抱えていた。通常、デザイナーが2週間で5案ほどを提案するが、初期段階での具体的なデザイン案の不足や、関係部門間でのイメージ共有の難しさから、再検討や調整に時間を要するケースがあった。

 ピジョンは幅広いデザイン案を短期間で生成し、関係者全員が具体的なイメージを共有できる仕組みを求めていた。CrepoパッケージデザインAIは、生成AIによる大量かつ多様なデザイン案の短期間生成と、1300万人分の消費者調査データを学習した評価AIによる消費者目線でのデザイン評価・絞り込みができる点を評価し採用を決めた。

 CrepoパッケージデザインAIは、パッケージデザインやキービジュアル、ネーミング・キャッチコピーの生成機能と、消費者評価を予測する評価機能を備える。Web上にデザイン案をアップロードするだけで、消費者がどの程度好むか、どのようなイメージを持つかを瞬時に予測できる。これにより、商品開発期間の短縮やコスト削減、業務効率化、情報漏えいリスクの低減といった恩恵が期待される。

 ピジョンではまず、生成AIで約100案のデザインを1週間で作成した。ピジョンの各部門担当者とプラグのデザイナーが一堂に会し、生成されたデザイン案をもとにディスカッションを重ね、幅広い選択肢から方向性を決定した。合意形成後、デザイナーが選ばれた案をもとにイラストやデザインを再作成し、最終的な商品デザインを完成させた。評価AIは、消費者の視点から訴求ポイントの視認性や好感度を予測し、案の絞り込みに活用された。

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パッケージデザインAIによるデザイン生成

 開発初期段階から具体的なデザイン案をもとに議論を進められたことで、イメージの齟齬による再検討が発生せず、デザイン開発が大幅に効率化された。ピジョン デザインソリューション部 パッケージデザイングループの恩田佳菜子氏は、「幅広い案から選ぶことで関係部署の納得感が得られ、合意形成が進みやすくなった。デザイナーによる作業も細かな調整のみで済み、ブラッシュアップに時間を充てられた」と評価している。ピジョンは今後もAIを活用した商品開発プロセスの高度化を図り、消費者ニーズに即した商品展開を推進する方針だ。

ニュースリリース


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