朝日新聞社、ERPフロントに「SmartDB」を採用 会計業務の効率化と運用を最適化

2025年8月19日11:05|ニュースCaseHUB.News編集部
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 朝日新聞社は、ERP(統合基幹業務システム)のフロント業務を効率化し、運用の最適化を図ることを目的に、「SmartDB」を採用した。8月19日、「SmartDB」を提供するドリーム・アーツが発表した。柔軟なワークフロー設計と外部SaaSとの連携機能を活用し、承認申請や伝票処理といった会計システムのフロント業務の負担軽減を目指す。2025年8月12日から全社員約3700名で利用を開始している。

 新聞・デジタルメディア事業を中核とする朝日新聞社は、創刊150年を迎える2029年に向け持続可能な経営基盤の確立を目指している。その一環として、業務基盤の刷新に着手した。約10年間利用してきたオンプレミスの現行システムは、機能追加を重ねる中で複雑化と属人化が進行。大規模な改修には想定以上の工数や費用がかかり、急速に変化する市場環境への対応が困難になっていた。

 こうした課題を背景に、同社はシステム基盤をオンプレミスからクラウドへ移行する方針を決定。ERP本体は、システムの標準機能に合わせて業務プロセスを調整する「Fit to Standard」の考え方に基づき、カスタマイズを極力避け標準機能を中心に構成することで、将来的な保守性や拡張性を確保した。その上で、ERP本体の標準機能では補いきれない業務ごとの細かな要件や現場の運用に対応するために、柔軟なワークフロー構築が可能で外部システムとの連携も容易なSmartDBをERPフロントシステムとして採用した。

 選定にあたり、Oracle ERP Cloudとの連携実績や大企業での安定した運用実績を評価した。加えて、日本企業特有の複雑な承認フローに対応できる柔軟なワークフロー構築機能、豊富な標準機能、多様な外部システムやSaaSと連携できる拡張性も採用の決め手となった。ITの専門知識がなくても業務アプリの作成・修正が可能な操作性も、現場主導の業務改善を促進する上で評価された。

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SmartDBとOracle ERP Cloudの連携イメージ

 現在、一般会計、債務管理、債権管理、固定資産、購買申請といったERP周辺の業務で運用を開始している。導入により、年間10万件を超える伝票処理業務を安定的に運用できる基盤が構築できた。特に「アクション部品」機能を活用することで、Oracle ERP Cloud側のマスターデータ参照や外部の購買ASP(Application Service Provider)との連携などのシステム連携も可能となった。また、会計機能に加え申立稟議や申請業務の一部でも運用を開始しており、ワークフロー機能を活用し業務効率化を図っている。

 朝日新聞社 コーポレート本部 システム部 次長の稗田洋也氏は、「従来のシステムは大規模なカスタマイズにより、バージョンアップ時の影響範囲が不明確で対応に多大な工数を要する状態だった。SmartDBの導入により、これらのシステム保守・運用面での課題が解消され、年間10万件を超える伝票処理業務を安定的に運用できる基盤を構築することができた。現在、他のSaaSサービスとの連携も検討しており、さらなる有効活用を進めていきたい」と話している。

ニュースリリース