こだま社労士オフィスは、リサーチ業務の効率化と品質向上を目的に、リーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」を採用した。12月16日、Legalscapeが発表した。AIを活用した検索機能により、複雑な法務調査にかかる時間を短縮した。創出された時間を顧客への説明や提案に充てることで、サービス品質の向上につなげている。
こだま社労士オフィスは、スタートアップ企業や歯科クリニック、人材派遣会社などを中心に労務管理を支援している。代表社会保険労務士が全ての顧客対応を行う体制をとっているが、頻繁な法改正への対応や多岐にわたる労働関連法規のリサーチが不可欠だ。一方で、代表自身が子育てと仕事を両立しており、限られた時間内でいかに効率よく、かつ正確にリサーチを行うかが課題となっていた。場所や時間を選ばずに必要な情報へアクセスできる環境を求めていた。
ツールの選定にあたっては、AI検索機能「Watson & Holmes(ワトソン・アンド・ホームズ)」の信頼性と利便性を評価した。一般的なAIツールとは異なり、回答の根拠となる文献が明示されるため、安心して実務に利用できる点を重視したという。また、AIが提示する回答に対して追加の質問候補を自動で表示する「更問機能」により、直感的な操作でリサーチを深掘りできる点も採用の決め手となった。
Legalscapeの導入により、リサーチ業務の効率は大幅に向上した。従来は文献調査などに数日を要していた案件でも、当日のうちに回答を完了できるケースが増加し、リサーチ時間は約3分の1に短縮されている。顧客への回答案を作成する際には、AIにドラフトを提示して論点の抜け漏れがないかを客観的にチェックさせている。これにより、リスクの見落としを防ぐとともに、法的根拠の確認にかかる負担を軽減。法律的な正しさだけでなく、顧客への分かりやすい「伝え方」の検討に注力できるようになった。
また、信頼性の高い実務的な書式やひな形をダウンロードできる機能も活用している。書籍に収録された書式を利用できるため、情報の正確性が担保されており、編集の手間を省きながら社内規定の作成や顧客への資料提供を効率化している。
こだま社労士オフィス代表の兒玉有美子氏は、「導入により、論点の抜け漏れがないかを客観的にチェックできるようになったことが大きい。AI検索機能の活用で、より確実にリスクを防げるようになった。こうしたチェックをLegalscapeに任せられるようになったことで、法律的な正しさだけではなく、その『伝え方』に意識を向けられるようになった」と話している。
今後は、リサーチの効率化で生まれた時間を活用し、介護や運送業界など、労務課題が複雑化している業種への支援を拡大していく方針だ。また、業務で得た知見を整理し、ブログなどを通じた情報発信も強化するとしている。