天昇電気工業、Smart Craftで生産性20%向上 現場のDX推進、習熟期間も半減

2025年8月19日13:49|ニュースCaseHUB.News編集部
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 天昇電気工業は、製造現場の生産性向上を目的に、Smart Craftの製造現場DXプラットフォーム「Smart Craft」導入から1年で生産性を20%向上させた。8月19日、Smart Craftが発表した。作業者の習熟期間が半減し、紙媒体からデジタルデータへの移行で管理工数を3分の1に削減するなどの成果を上げている。

 プラスチック製品の設計・製造・販売を手掛ける同社では、長年にわたり製造現場でのアナログ運用が常態化していた。紙の日報への記入や手作業による集計、締め作業が非効率であることに加え、作業者ごとの習熟度を正確に把握することが困難との課題を抱えていた。

 こうした状況を打開するため、同社の生産革新チームが中心となり、デジタルツールの導入を検討。複数の選択肢を比較する中で、タブレットで容易に実績を入力できる操作性と、小規模から始められる手軽さを評価し、Smart Craftの採用を決めた。「まずトライし、走りながら改善する」という同チームの理念のもと、現場の業務効率化と生産性向上が期待できることが決め手になった。

 Smart Craftの導入により、現場の業務は大きく変革された。紙の帳票類をデジタルデータに移行したことで、日次の集計や締め作業時間は従来の3分の1に短縮された。これにより、管理者の業務負荷が大幅に軽減されたほか、紙代や印刷コストの削減にもつながった。

 また、作業者ごとの生産性や習熟度が高精度で可視化されたことで、個々のレベルに応じた最適な教育が可能になり、習熟までの期間が半分に短縮された。これらの取り組みが総合的に寄与し、最終的に生産性は20%向上。より少ない人数で同量の生産が可能な体制が実現した。副次的な効果として、正確な実績データが共有されることで管理者と作業者間のコミュニケーションの質が向上し、現場の目標達成意欲や改善意識の醸成にもつながっている。

 天昇電気工業取締役の岸田氏は、「Smart Craft導入により、業務効率化が大きく進み、現場の見える化と生産性の向上が加速した。既に他の工場への展開も進めており、全社最適な生産体制を目指していく。より一層の仕組み化を推進し、効率を向上させることで、競争力をさらに高めていく」と述べている。

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