リーバイ・ストラウスジャパン、OMO強化へ「Braze」活用 個客に合わせファン育成加速

2025年12月4日00:28|ニュースCaseHUB.News編集部
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 リーバイ・ストラウスジャパンは、顧客エンゲージメントの強化と売上向上を目的に、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム「Braze」を採用した。12月3日、Brazeが発表した。アプリプラットフォーム「Yappli」とも連携し、Web、アプリ、実店舗を横断したマルチチャネルでのコミュニケーション施策を展開する。顧客一人ひとりに最適化した体験を提供することで、ロイヤルカスタマーの育成と事業成長につなげる狙いだ。

 リーバイ・ストラウスジャパンは、1873年に世界初のジーンズを誕生させた「Levi's」ブランドを展開し、日本国内でも広範な事業を行っている。店舗、ECサイト、会員制サービスなど多様なチャネルを通じて顧客と接点を持っているが、デジタル体験のさらなる強化が必要だと認識していた。従来のアプローチはWebサイト上でのポップアップ表示などが中心で、一律的な施策にとどまる傾向があった。今後は顧客一人ひとりの状況や好みに寄り添った形でエンゲージメントを深めることが、重要な経営テーマとなっていた。

 こうした課題を解決するため、同社はBrazeの導入を決めた。導入の主な目的は、新規顧客の獲得に加え、コアユーザーに対するエンゲージメントの加速と品質向上、そしてそれらを通じた売上の向上だ。システムの構築にあたっては、さまざまなデータソースからのデータ収集や、ノーコードでのアプリ開発・運用・分析が可能なYappliと連携。これにより、オンラインとオフラインを融合したOMO(Online-Merge-Offline)施策を効果的に推進する体制を整えた。

 今回の取り組みでは、まずアプリ経由で取得・分析されたデータを活用し、マーケティング、セールス、店舗オペレーションを横断する顧客接点の整備を進める。Brazeをプラットフォームとして利用することで、全てのデータやチャネル、オーケストレーションのニーズを一元管理できるようにする。これにより、オンラインサイトと実店舗の連携を深め、デジタルクーポンや店舗体験の告知などを通じて、顧客がチャネルを意識することなくシームレスにブランド体験を得られるよう設計する。

 また、Brazeに搭載されたAI機能「Braze AI」を活用し、施策の仮説検証と最適化のサイクルを高速化する点も特徴だ。運用担当者の負荷を抑えつつ迅速な改善を繰り返すことで、ブランドに熱狂するファンとの関係を構築・維持する「ハイパーパーソナライゼーション」の実現を目指す。さらに、Brazeのジャーニーオーケストレーション機能を活用し、高度なインテリジェンスに基づいたリアルタイムな対応を行うことで、顧客体験の質を高めていく。

 リーバイ・ストラウスジャパンでイーコマースマネージャーを務める佐竹氏は、「目指しているのは、顧客にリーバイスらしい体験を届けるだけでなく、その方がブランドにより深く共感し、自分のスタイルの一部として感じてもらえるようにすることだ」と説明する。その上で、「Brazeの導入によって、一人ひとりの感性や行動に合わせた最適なアプローチが可能になり、顧客がリーバイスのファンからロイヤルカスタマーへと自然に育っていくような関係を築けると考えている」とコメントしている。

 今後は構築したプラットフォームを起点に、顧客体験のさらなる深化や新サービスの導入に取り組む。店舗とデジタルの融合を一層強化し、多チャネルにおける顧客接点の最適化を進めていく方針だ。

ニュースリリース