フジパン、生成AIで社内問い合わせを自動化 2.3万人の対応負荷を軽減

2025年8月19日10:59|ニュースCaseHUB.News編集部
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 フジパンは、社内問い合わせ対応の効率化を目的に、AI型チャットボット「HUE チャットボット」を採用した。8月18日、「HUE チャットボット」を提供するワークスアプリケーションズが発表した。約2万3000名の従業員から寄せられる年間約42万件の問い合わせのうち、まずは15%にあたる約6万3000件の自動化を目指す。これにより、業務効率化と担当者のコア業務への集中を促進する。

 同社は従業員数が多く、社内ルールや制度に関する問い合わせが総務部門に集中していた。特に、夜勤や早朝勤務の従業員、外国籍の従業員への対応が時間的な制約から難しく、担当者が本来注力すべきコア業務に専念できないことが課題となっていた。

 そこで、問い合わせ対応の負荷軽減と従業員の利便性向上を目的に、HUE チャットボットの採用を決めた。選定にあたり、社内規程や業務マニュアルなどのドキュメントをアップロードするだけで、AIが内容を参照して回答を自動生成できるメンテナンス性の高さを評価した。また、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術の活用による回答精度の高さや、ベトナム語、インドネシア語など多言語に対応できる柔軟な運用性も決め手になった。

 HUE チャットボットは24時間稼働できるため、従業員は勤務時間を問わずに必要な情報をいつでも迅速に得られるようになる。管理者にとっても、これまで膨大な工数がかかっていたFAQの作成・更新作業の負担が大幅に削減される。フジパンでは、年間約42万件にのぼる問い合わせのうち、まず15%の削減を見込んでおり、管理者と従業員双方の業務効率化が期待されている。

 フジパングループ本社 総務部 課長心得の横井裕弥氏は、「従業員数の多さから、日々の社内問い合わせ対応に時間と労力を要している。HUE チャットボットの導入で自動化が進み、担当者の業務負荷軽減につながると期待している。まずは総務窓口での活用を開始したが、今後は人事関連などへの展開も視野に入れ、全体の業務効率化と、担当者のスキルに左右されない正確な回答の提供を図っていきたい」と話している。

ニュースリリース