コスモ石油は、内航船による石油製品輸送の業務効率向上と環境負荷低減を目的に「Optium」を採用した。AI最適化ソリューション「Optium」を提供するALGO ARTISが、4月15日に発表した。
コスモ石油は、国内の石油輸送に不可欠な内航船の配船計画において、天候やバース(積み下ろし場所)の使用状況など多様で変動性の高い条件に対応しなければならず、従来は高度な判断と一部手作業に頼っていたため、業務負荷や効率性に課題を抱えていた。こうした事業環境のもと、配船計画の自動化と効率化を図るため、AIによる最適化技術を採用した。
Optiumの選定理由は、複雑な制約条件を独自の最適化AIアルゴリズムで高速かつ柔軟に処理し、配船計画の自動化・効率化を実現できる点にある。さらに、データの集約や形式統一による管理効率の向上、配船計画の自動策定・評価といった一連のプロセスをシステム化できることも評価された。これらで、インプットからアウトプットまでの業務全体の高度化と効率化が期待できる。
最初に計画に必要な情報を一元化し、迅速かつ正確に収集・管理する体制を整備。形式統一により重複プロセスを削減して、ミスの低減も図った。次に、最適化AIによる高速な配船計画を作成し、配船表・バース表・在庫表をリアルタイムで連動させながら、発生する制約に即応した最適プランを策定できるようにした。さらに、シミュレーションと定量評価によるアウトプットを自動化し、客観的かつ迅速な意思決定を支援する仕組みを構築した。
AIによる最適化で業務効率が約20%改善し、燃料消費量も約5%削減できる見込みだ。また、配船の最適化でCO2排出量の低減も期待されている。コスモ石油はOptiumの導入で、従来の手作業や属人的な判断に依存していた配船計画業務を抜本的に見直し、AIによる最適化と業務の高度化を推進する。今後、コスモ石油は内航船輸送のさらなる最適化と業務の高度化を進め、デジタルトランスフォーメーション(DX)およびグリーントランスフォーメーション(GX)の実現に向けた取り組みを継続する。
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