JTB-CWT、ユーザー向け新ポータルでServiceNow活用 CX・EXとも向上へ

2025年6月2日22:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB-CWT)は、同社が提供する出張管理・経費精算システム「ビズバンス」のユーザー向けに、ServiceNow(サービスナウ)のCRMソリューションとAI機能を活用してポータルサイトを構築した。システム構築を担ったジャパンシステムと、サービスナウの日本法人ServiceNow Japanが6月2日に発表した。JTB-CWTはこのポータルサイトを次世代カスタマーサポート基盤と位置づけ、顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の向上を目指す。

 ビズバンスは出張管理や経費精算業務の効率化を支援する法人向け統合ソリューション。国内で1800社以上の導入実績がある。一方で、ユーザー対応では課題もあった。問い合わせ窓口が営業担当や部門ごとに分散しており、対応の品質やスピードにばらつきが生じていたという。また、既存のサポートサイトでのマニュアル配布やシナリオ型のチャットボットによる情報提供では、利用者が問題をなかなか自力で解決できないという問題もあった。

 サポート業務に従事する従業員側も、顧客対応の履歴がExcelなどで管理されていたため、情報の一元化や業務知識の共有、標準化が進まず、結果として業務工数の増大や業務の属人化につながっていた。定型的な問い合わせであってもも人手を介した対応が中心で自動化が難しく、対応件数の増加に比例して人的な負荷が高まる構造になっていたという。これらの課題を解決し、顧客の利便性向上と従業員の業務効率化を両立させる新たな仕組みの導入を検討していた。

 JTB-CWTはServiceNow Japanからの提案を受け、同社のaPaas「ServiceNow AI Platform」を基盤とする専用の問い合わせポータルサイトの構築を決定。システム設計・構築はジャパンシステムに依頼し、1カ月半で構築を完了。5月1日に稼働を開始した。

 新たなポータルサイトは、従来の電話やメールといった複数の問い合わせ窓口とそれらの対応業務を集約した。ビズバンスのユーザーはAIを活用したナレッジ検索機能やチャットボットを通じて、窓口に直接問い合わせることなく迅速に問題を自己解決できるようになり、利便性の大幅な向上が期待できるとしている。従業員にとっても問い合わせ対応の負担が軽減され、より専門性の高い業務や顧客への付加価値提供に注力できる環境を整備したかたちだ。加えて、サービスレベルの可視化と業務プロセスの改善を促す仕組みにより、サービス品質や顧客満足度を継続的に向上させたい考えだ。

20250602_JTBCWT.png
ポータルサイトのイメージ(出典:ServiceNow Japan)

 JTB-CWT営業企画部長の若槻武彦氏は「顧客満足度と顧客実感価値を向上させるための重要なタッチポイントであるカスタマーサポート機能の拡充に際し、これまでのヒューマンタッチなサービスに加え、生成AIなどの活用による利便性向上や顧客・従業員体験価値の実現が可能な最新のIT開発プラットフォームの導入を検討していた。ServiceNow AI Platformは、当社が実現したい機能を全て備え、短期間での導入を実現できることが選定のポイントになった」とコメントしている。

ニュースリリース