キヤノングループ、食器認識AIエンジンで社員食堂の食器コスト削減と運用負荷を軽減

2025年5月21日22:57|ニュースCaseHUB.News編集部
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 キヤノングループは、社員食堂の運営効率化とコスト削減を目的に「社員食堂自動精算サービス」を採用した。食器認識AIエンジンを搭載した本サービスを提供したキヤノンマーケティングジャパンが、2025年5月21日に発表した。

 近年、日本には約5000の社員食堂があり、運営では人手不足が課題となり、業務効率化やコスト削減が求められている。社員食堂では従来、食器の裏にRFIDタグを貼付し、精算時に読み取る方式が主流だった。しかし、RFID対応食器以外は利用できず、タグの定期的なメンテナンスが必要など、運用面での制約があった。また、料理や季節に応じた多様な食器の使用も難しかった。

 こうした状況を受け、キヤノングループは画像解析技術を活用した食器認識AIエンジンによる自動精算サービスを導入した。キヤノンが長年培ってきたAI認識・画像解析技術とネットワークカメラのノウハウを活用し、トレー上の食器画像を解析し種類を判別して、精算業務を自動化する。AIは多種多様な食器を学習しており、食器以外の物体を認識した場合は排除することで、サービス品質を高めている。

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食器認識AIエンジンによる社員食堂自動精算サービスの概要

 キヤノングループ国内44カ所の社員食堂での検証を重ね、実運用に耐えうる高精度な食器識別を実現した。画像解析方式のため、RFID対応食器に限定されず、通常の食器も利用可能となり、料理や季節ごとに多様な食器を利用できる。さらに、RFIDタグのメンテナンス作業が不要となり、運用面の作業負荷も軽減された。食器の買い替えコストは、従来比で85%削減できた。これは、RFID対応食器のリプレースコストと比較して算出されたもので、グループ社員食堂の日常運営にも大きなメリットがあった。

 今後は、食器認識AIエンジンのさらなる技術向上を図るとともに、2030年までに全国の社員食堂の3割への導入を目指す。また、飲食店など他分野への展開や、食後の画像データを活用した健康情報の分析による健康経営支援にも取り組む。

ニュースリリース


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