広島ガス、AIボットでガス開閉栓受付を自動化 繁忙期の電話殺到に対応

2025年8月7日23:09|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 広島ガスは、コールセンターにおける顧客サービス向上と業務効率化を目的に、AIを活用した自動化システム「CAT.AI CX-Bot」を2025年5月に導入した。8月6日、同システムを提供するトゥモロー・ネットが発表した。引っ越しシーズンに急増するガスの開閉栓に関する問い合わせにAIで自動対応することで、受付人員の最適化とサービス品質の安定化を図る。

 同社では、ガスの開閉栓に関する入電が引っ越しシーズンである3月から4月にかけて急増し、通常月の約2倍にあたる8000件から9000件に達していた。繁忙期と閑散期の業務量の差が大きいことから、繁忙期の体制構築や人材確保が大きな経営課題となっていた。こうした背景から、コールセンター受付業務の品質向上と効率化、人員配置の最適化を目指し、AIによる自動化の検討を開始した。

 ガスの開閉栓手続きでは、氏名の漢字表記や住所といった情報を正確に聞き取る必要がある。今回採用したCAT.AI CX-Botは、ボイスボット(音声自動応答)とチャットボット(テキスト自動応答)を一つのプラットフォームで同時に利用できる点が特長だ。音声でのやり取りだけでは誤認識の可能性がある場合、ショートメッセージでチャットボットのURLを送信し、テキスト入力で正確な情報を取得するといった柔軟な対応が可能になる。また、訪問希望日の聴取ではチャット画面にカレンダーを表示するなど、利用者のストレスを軽減しながら精度の高い情報取得を両立できる点が評価された。

20250806_hiroshima.png
AIによる問合せ対応の自動化のイメージ

 CAT.AI CX-Botは柔軟なシナリオ設計が可能で、複雑な業務フローにも対応できる。ガスの開閉栓受付では、顧客の住所がガスの供給区域内か否かの判断が必須となる。新システムでは、入力された住所情報をもとに供給区域内かどうかを自動で判定し、区域外と判断した場合はオペレーターに電話を転送するシナリオを標準機能で構築できる。これにより、従来は人が行っていた確認作業を大幅に削減し、AIによる自動化の範囲を広げられる。

ニュースリリース