ウィルオブ・ワークは、求人選定と提案の品質向上を目的に、AIマッチングシステム「a-assi AIマッチング」を採用した。8月20日、同システムを提供するエーアシが発表した。求人選定から提案書作成までにかかる時間を最大75%削減し、キャリアアドバイザーの業務効率を大幅に改善した。創出された時間を活用し、今後の決定数増加を見込む。
同社のテックキャリア事業部では、月に20〜25名という高頻度で候補者との面談を実施している。初回面談で求人を出し切ることを基本方針としており、面談前に求人を準備するスピードと網羅性が重要だった。しかし、特に広告経由の候補者は職務経歴などの情報が少なく、履歴書を回収してから求人を選定し、提案書を作成するまでに30分から60分を要することが常態化。「より速く、質を落とさずに」という課題を抱えていた。
a-assi AIマッチングの採用にあたっては、マッチングのスコアと、その根拠がセットで提示される点を高く評価した。「必須スキル 80%」「業務内容親和性 75%」といった具体的な数値とともに、その理由となる文章まで自動で生成されるため、経験の浅い担当者でも候補者に対し根拠を持って求人を説明できる。また、履歴書やスカウト情報をそのままアップロードするだけで検索が始まり、情報が少ない候補者でも数分で提案リストの叩き台が完成する点も、迅速な提案を後押しする要素となった。
導入により、大きな効果があったのは時間と心理的余裕の創出だ。従来60分かかっていた求人選定から提案書作成までの時間は15分へと75%短縮された。面談中に10件前後の求人を即時提示できるようになり、全ての候補者に対し初回面談で提案が完結、再面談はゼロになった。これにより、同じ月間決定数を従来の半分の工数で達成しており、キャリアアドバイザーは「提案に漏れがないか」という不安から解放され、候補者との対話に集中できるようになった。
現場では、面談前にスカウト情報などをa-assi AIマッチングにアップロードし、数分で30〜40件のスコア付き求人リストを作成。初回面談では、そのリストの中からスコア上位の求人と担当者の知見を組み合わせて約10件に絞り込み、その場で提案している。面談後は、a-assi AIマッチングが生成した根拠説明を引用して提案書を作成し、候補者と企業へ即時送付する流れを確立した。空いた時間はフォロー連絡や追加のリサーチに充てられ、次のアクションへの移行が格段に早くなっている。
テックキャリア事業部を率いる早川氏は、「スコアは6割程度信頼するという見方だが、理由が言語化されているので判断に迷わない。提案文の根拠部分は、経験の浅いキャリアアドバイザーの学習素材にもなっており、求人や企業理解の底上げに役立っている」と語る。また、オンボーディングの期間短縮にも大きなメリットを感じており、操作を10分教えれば、新人でもその日のうちに一連の業務を再現できるという。
同氏は、経歴が読み取りづらいインフラ系の候補者に対し、a-assi AIマッチングが候補者の強みを的確に抽出し、自身の記憶にはなかった求人を提示したことで、候補者が即決したエピソードを挙げる。「情報が少なくても工数半減、根拠が見えるため心理的安全性が高い、ハイレイヤーやニッチな求人まで網羅しているという3点は他ツールでは代替できない。もし他社で責任者を任されたとしても100%導入する」と評価している。