ヤマハ発動機、AI活用でマスタデータ管理基盤を構築

2025年9月24日18:24|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ヤマハ発動機は、インフォマティカのマルチドメインMDMソリューションを採用した。9月24日、同製品を提供するインフォマティカ・ジャパンが発表した。グローバルで展開する事業のIT基盤を刷新し、複数の拠点や事業に分散していたマスタデータを一元管理する。意思決定の迅速化や業務効率の向上につなげ、事業競争力の強化を目指す。

 オートバイをはじめとする多様な輸送用機器をグローバルに展開するヤマハ発動機は、ITやデジタル、データを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略を推進している。これまで同社は拠点や事業ごとに異なるシステムを利用しており、マスタ情報の管理項目や管理方法が統一されていなかった。システム同士が密結合していたこともあり、ビジネスのスピードを加速させる上で課題となっていた。

 これらの課題を解決するため、同社は管理項目の標準化とシステム間の疎結合化を目指し、グローバル規模でのERP導入を進めていた。しかし、その過程で、マスタデータのグローバル一元化や、各拠点のシステムへの配信といった新たな課題が顕在化した。そこで、マスタ情報の精度向上と配信効率化を早期に実現する仕組みとして、インフォマティカのSaaS型MDMソリューションの採用を決めた。

 選定にあたっては、業界大手のERPとのスムーズな連携に加え、同社独自のスクラッチ開発システムとも柔軟に接続できる点が要件だった。インフォマティカのソリューションは、AIエンジン「CLAIRE AI」を搭載しており、ドメインや部門全体のデータ資産を統合・自動化することで、包括的な360度のビューを提供できることが評価された。

 今回のソリューション採用により、ヤマハ発動機は信頼性の高いマスタデータをグローバルに管理し、各地域のERPや独自システムをつなぐインターフェース基盤を構築する。この基盤は、経営の意思決定、予測、管理レポーティングの高度化と迅速化に貢献すると見込む。また、ERPの迅速な導入とメンテナンスによって、生産性向上とコスト削減も実現できるとしている。

 ヤマハ発動機IT本部長の小野豊土氏は、「インフォマティカのMDM導入は、事業の成長スピードを支える基盤を整え、変化に強い組織づくりを進める上で重要な一歩だ」と述べている。

 インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長である小澤泰斗氏は、今回の提携について「データに基づく意思決定の強化とAIおよびDXの加速というヤマハ発動機の目標を支援できることを大変うれしく思う」とコメントしている。

ニュースリリース