タイミーは、LayerXが提供する業務効率化クラウドサービス「バクラク」のAI機能「AI申請レビュー」を採用した。12月12日、LayerXが発表した。従業員の急増に伴う経費申請のチェック業務の負担を軽減し、月次決算の締め作業を1営業日短縮したという。
スキマバイトアプリ「タイミー」を提供するタイミーは、事業の急成長に伴い、従業員数が直近3年で約500人から1500人規模に拡大した。営業職が多く、移動や出張が頻繁に発生することから、経理部では月間約1400件の経費精算対応に追われていたという。
特に負担となっていたのが、月間4000行にも及ぶ交通費明細の目視チェックや、申請内容の不備による差し戻し対応だ。従来は、従業員からの申請に対して経理担当者が一件ずつ内容を確認していた。しかし、訪問先が「出張」とのみ記載されているなど内容が曖昧なケースや、領収書の添付漏れなどが散見され、確認や修正のためのコミュニケーションコストが増大していた。人海戦術での対応は限界が近づいており、上場準備期におけるガバナンス強化と業務効率化の両立が課題となっていた。
そこで同社は、システム基盤の刷新にあたり、AIが自社の規定に照らして申請内容を自動チェックするAI申請レビューの採用を決めた。この機能は、申請者が申請ボタンを押す前にAIがリアルタイムで不備を指摘する仕組みだ。例えば、「領収書の添付漏れ」や「記述の曖昧さ」などをAIが検知し、その場で修正を促すことで、従業員の自己解決を促進する。
AI申請レビューの導入により、経費精算業務の効率は大幅に向上したという。AIが事前チェックを行うことで、経理部門による月4000行の交通費明細の全件目視確認が不要となったほか、証憑の添付漏れなどのミスもほぼゼロになった。申請者への確認や差し戻しの手間が激減した結果、月次決算の締め作業を1営業日前倒しすることに成功した。
タイミーの経理部担当者は、「申請内容の詳細を申請者に確認し、回答を待つ時間を減らせたことが大きい。AIが統一基準で確認することで、人間は『この申請は本当に実務上必要なのか』といったAIにはできない判断業務に集中できる」としている。