AI insideは、クラウドリソースの効率化とユーザー体験の向上を目的に「New Relic」を採用した。6月18日、New Relicが発表した。
AI insideは生成AIや自律型AIエージェントの研究開発と社会実装を進めるテクノロジー企業であり、データ入力業務を自動化する「DX Suite」などを展開している。事業環境として、プラットフォーム事業の拡大とともに、サービス運用コストの最適化や多様なユーザー層への提供が求められていた。
同社は2022年3月、プロダクト開発・運用のサイクル高速化とユーザー体験向上を目指し、AWSクラウド基盤の「DX Suite」システムに「New Relic」を導入した。アプリケーション稼働状況の可視化や迅速なトラブルシューティング、部門横断での共通言語策定といった効果が期待できることから採用を決めた。
New Relicを活用してシステムのオブザーバビリティを強化し、サービス品質の定点観測やボトルネックの特定を実施した。2024年からは、New Relicで収集・可視化したデータを基盤に、AWSクラウドのコスト可視化と最適化を進めるFinOpsの取り組みを本格化させた。開発チームと運用チームが連携し、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)を活用したAPI最適化やキャッシュ利用の強化、インフラのスケーリング、リソース調整などを継続的に実施した。
2025年3月期(2024年四月~2025年三月)における年間のAWSクラウドリソース効率は、前年度比で48%向上した。また、APMによるボトルネック解析により主要機能の処理時間が従来比で二倍以上短縮された。DX Suiteのユーザー数は6万6000を超え、顧客解約率は0.57%と低水準を維持した。これにより、ユーザー体験の向上とビジネス成長、コスト最適化の両立が実現した。
AI insideのVPoE三谷辰秋氏は、「New Relicによるオブザーバビリティの導入は、システムの状態を可視化し、全部門のメンバーが共通の視点で本質的なプロダクト改善に取り組める基盤となっている。クラウドリソースの効率化だけでなく、ユーザー体験の向上にもつながっている。優れた体験が多くのユーザーに選ばれ、そこから得られる大量のデータが、より高価値で低価格なAIの進化を支えている」と述べている。
今後もAI insideは、オブザーバビリティを基盤としたFinOpsの実践サイクルを継続し、誰もがAIの恩恵を受けられる社会の実現を目指す。
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