オーレックホールディングスは、社内に分散したデータの統合・利活用に向けた共通基盤の整備と業務効率化を目的に、スリーシェイクが提供するクラウド型ETLツール「Reckoner」を採用した。5月21日、スリーシェイクが発表した。オンプレミス環境の基幹システムと複数のSaaSに閉じられていたデータをデータウェアハウスに一元集約し、データ活用の土台を確立した。今後はデータ品質の向上や業務の自動化をさらに進め、データ活用の高度化を目指す。
オーレックホールディングスは、車輪付乗用草刈り機において国内トップクラスのシェアを有するオーレックを中核とする、農業機械メーカーの企業グループだ。高い内製化率と現場主義のものづくりを強みに事業を展開している。近年、同社の情報システム部門にあたるソリューションシステム部では、従来の運用・保守に加えてDX推進やデータ活用の企画立案にも取り組んできた。
しかし、社内にはオンプレミスの基幹システムや複数のSaaSなど、異なる環境のシステムが混在していた。これらが横断的に連携されていなかったため、データが社内に点在し、統合して利活用するための共通基盤がないことが大きな課題となっていた。システム刷新にあたっては、既存環境の構成や運用に制約がある中で、現実的に運用可能なデータ連携方式の検討が必要だった。また、ITの専門知識を持たない非エンジニアの職員でも直感的にデータを活用できる操作環境も求められていた。
複数のETLツールを比較検討する中で、オンプレミスの基幹システムとクラウド上のデータウェアハウスを、既存環境を変更することなくそのまま連携できる点が決定打となった。また、ZendeskやSalesforceといった既存の業務SaaSとのAPI連携についても柔軟かつ短期間で実運用に向けた検証が行える点、非エンジニアにも扱いやすいUI設計と日本語サポートが充実している点も評価された。さらに、スモールスタートが可能で利用規模に応じてコストを最適化できるプラン設計も導入の判断を後押しした。
導入プロセスにおいては、Reckonerのオンプレエージェントを利用することで、既存環境への影響を抑えながらスムーズな接続を実現した。検証段階からトライアル環境を用いて実際の運用イメージを具体化できたため、短い構築期間でありながら必要な動作確認を網羅して導入を進めることができた。
今回の導入により、大きく三つのワークフローが構築された。一つ目は、オンプレミスで稼働する基幹システム内のファイルサーバーからオンプレエージェントを通じてデータを取得し、クラウドのデータウェアハウスへ自動連携する流れだ。二つ目は、ZendeskやSalesforceといった各種SaaSが公開しているAPIをReckonerから実行し、データをデータウェアハウスに吸い上げる連携だ。そして三つ目は、データウェアハウス上で整形・加工したデータをSalesforceへ還元するリバースETLの仕組みである。
データの一元化によって、異なるシステム間でIDの一貫性が担保され、データ品質が向上する効果が生まれている。さらにリバースETLの運用が定着することで、これまの一方のシステムに入力したデータを別のシステムに再入力していた手間や二重入力が解消され、業務効率化が進むと見込んでいる。
今後はデータ基盤の活用領域をさらに広げていく計画だ。現在は一部の処理をRPAで対応しているデータフォーマット変換などの工程をReckonerに置き換え、RPAと組み合わせた業務全体の自動化・効率化を推進する。また、現在は手作業でのデータ出力・取り込みが発生している人事労務・勤怠管理システムのデータ連携についても自動化に着手する。これらのマスターデータを各システムで横断的に活用できるようにし、将来的にはIoT機器のデータや各種サービスの利用データとも連携させることで、さらなる運用の効率化とデータ活用の高度化の両立を目指す。