太陽生命、給付金支払査定業務を自動化・高度化 生成AIとルールエンジン使い分けへ

2026年5月22日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 太陽生命保険は、年間約50万件にのぼる給付金等の支払査定業務を対象に、生成AI技術とルールエンジンを活用した新たな査定支援システムを開発した。5月21日、開発を共同で行った日本アイ・ビー・エムが発表した。2027年1月より順次運用を開始し、査定業務の大幅な効率化と高度化を進める。これにより担当者の業務時間を従来比で4割程度削減し、顧客対応などの高付加価値業務に注力できる環境の実現を目指す。

 太陽生命では、顧客から請求された保険金や給付金を支払う際、預かった診断書などの請求情報と契約内容を照らし合わせて支払額を決定する査定業務を行っている。正確な支払いを期すために複数の担当者による目視確認を行ってきたが、年間約50万件という膨大な件数に対応するため、支払査定業務のさらなる自動化と迅速化が課題となっていた。

 今回の取り組みでは太陽生命がプロジェクト統括を担い、実際に査定を担当する職員が主体となって約720の査定ルールを洗い出して分析。効率化に向けた施策やシステム計画を立案した。業務の特性に応じて、日本IBMのルールエンジンと生成AI技術を使い分けるハイブリッドなアプローチを採用した。

 具体的には、明確な基準で判断できる不備点検や定型的な査定判断には、ルールエンジンである「IBM Operational Decision Manager」を導入する。事前に定義したルールに基づき一貫した基準で自動判定し、判断根拠を記録することで透明性と説明可能性を確保する。一方、診断書の自由記述の理解や文章間の整合性確認といった非定型業務には、生成AI「IBM watsonx」を活用して点検業務の標準化を図り、担当者の判断を支援する。なお、最終的な支払可否は従来通り査定担当者が確認して決定する。

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支払査定業務の自動化・高度化の業務フロー新旧対比イメージ

 新システムの導入により、約60名いる査定担当者の業務時間が従来比で4割程度削減される見込みだ。これにより、限られた人的リソースを顧客対応や高度な判断が求められる領域へ集中させ、確実性と迅速性を両立した顧客サービスの向上につなげる。

 太陽生命取締役常務執行役員DX戦略本部長の中村修一氏は、「実際に査定業務を担当する職員が主体となり、現場目線で徹底的に分析した結果、先端技術を活用した『AIと人との融合』というシステム構想が生まれた。比較的定型的な判断業務を自動化することで大幅な業務効率化を実現し、人的リソースをより『人』らしく活躍できる領域へと集中させていく」と話している。

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