AI inside、セールスフォースで販売管理刷新 国内初のRevenue Cloud採用

2025年8月7日18:21|ニュースCaseHUB.News編集部
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 AI insideは、販売管理業務の高度化と自動化を目的に、セールスフォース・ジャパンの「Revenue Cloud」を国内で初めて採用した。8月7日、Revenue Cloudを提供するセールスフォース・ジャパンが発表した。今後のグローバル展開を見据えた次世代営業基盤を構築し、将来的には自社開発のAIエージェントと連携させることで、業務効率化と顧客への提供価値向上を目指す。

 同社はこれまで、デジタルマーケティングや営業といったフロント領域でSalesforceのクラウド製品を活用し、業務プロセスの効率化を進めてきた。しかし、見積作成から請求に至る基幹業務については、自社開発の独立したシステムで運用しており、全社的なプロセス連携とデータ統合の強化が課題となっていた。将来の事業成長とグローバル市場への進出を見据え、業務全体の整合性と拡張性を高めるため、システム基盤の刷新を決断した。

 Revenue Cloudの選定にあたり、既存の営業支援システム「Sales Cloud」と連携し、見積から請求、売上管理までを一気通貫で処理できる点を評価した。業務プロセスを標準化しながらも、将来的なチャネルの多様化やグローバル展開といった経営戦略と高い親和性を持つことも決め手となった。また、Salesforceのプロフェッショナルサービスを活用することで、グローバルでの導入知見を取り入れた最適な構築体制を整えられる点も評価した。

 今回の採用ではRevenue Cloudに加え、「Data Cloud」や「Manufacturing Cloud for Sales & Service」なども導入。これにより、リード獲得から受注、アフターサポートに至るまで、顧客接点全体をSalesforce上で一元管理する。Data Cloudは既存のデータ基盤「Databricks」と連携し、顧客の利用状況データをリアルタイムな意思決定に活用。Manufacturing Cloudは、エッジコンピュータ「AI inside Cube」の在庫・作業管理を可視化し、現場の対応速度向上につなげる。

 今後は、デジタル労働力でチームを強化する同社のAIプラットフォーム「Agentforce」との連携も視野に入れている。バックオフィス業務の効率化と省力化によって、従来の課題であった販売キャパシティの増加と、従業員一人当たりの還元率最大化を目指す。

 新システムは2026年上期の本番稼働を予定しており、営業、バックオフィス、カスタマーサクセス、製品開発など複数の主要部門で展開する計画だ。将来的には、同社が開発するAIエージェントとAgentforceを連携させる「AtoA(Agent to Agent)」により、対話型かつ自律的な次世代カスタマーエクスペリエンスの実現を構想している。

 AI insideの執行役員CIOである前田浩二氏は、「Revenue Cloudの採用を決めた最大の理由は、Salesforceの提案を通じて、当社が目指す未来を実現できると確信したからだ。収益モデルとの親和性の高さや、それを実行できる体制が整っていたことに加え、当社が掲げる思想とSalesforceが提唱する未来像が重なり、強く共感したことが採用を後押しした。今後、Salesforceと当社の行動規範である『Grow Together(共に成長する)』を体現しながら、日本発のAIドリブン経営の新たな形を追求していく」と話している。

ニュースリリース