石原産業がAI OCRで業務効率化と従業員の労働生産性を向上

2025年5月14日17:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 石原産業が業務効率化と従業員の労働生産性向上を目的にAI OCR技術「AIRead」を採用した。5月12日、AIReadを提供するユニリタプラスが発表した。

 石原産業は、「化学技術でより良い生活環境の実現に貢献し続ける」というパーパスのもと、農薬や動物用医薬品、医薬品原体、機能性材料など、社会に不可欠な製品を展開している。持続可能な社会の実現や健康で心豊かな暮らしの推進を目指し、グローバル企業として成長を続けている。

 同社では、紙やPDFで受領した情報を基幹系システムへ手入力する転記業務が多く発生していた。従来は複合機のOCR機能を利用して電子データ化していたが、識字率は60~70%程度にとどまり、十分な業務効率化には至っていなかった。また、請求書確認業務が月次締切に集中し、1社あたり1回20分程度を要するなど、作業の迅速化が課題となっていた。

 こうした背景から、石原産業は新たなOCRソリューションの導入を検討。複数の製品を比較した結果、AIReadを採用した。選定の理由としては、他製品と比較して識字率が高く、特に数字や英語の読み取り精度が優れていた点が挙げられる。また、定型・非定型帳票の双方に対応できる汎用性、業務部門ごとに帳票定義の作成・修正が可能な操作性、利用枚数に応じた月額プランによる初期コストの抑制なども評価された。

20250514_ishihara.png
AIReadを採用したシステムの概要

 導入プロセスでは、スモールスタートで検証を実施し、各業務部門が自ら帳票定義を作成・修正できる体制を整えた。AIReadの導入により、手作業と比較して業務時間が半分に短縮されたほか、OCR処理時間を考慮した業務フローの見直しにより、効率的な運用が実現した。

 さらに、従来はオンプレミス型システムの導入が多かったが、AIReadの採用を契機にSaaS製品活用への意識が高まり、導入コストを抑えつつより柔軟なシステム選定が可能となった。今後は、AIReadをRPAやジョブ管理ツールと組み合わせ、手作業の定型業務をさらに効率化する。経営企画管理本部 情報システム部の江副氏は、他社の成功事例も参考にしながら、より効果的な活用を目指す考えを示している。また、経営企画管理本部 経営企画部 デジタル戦略グループの手嶋氏は、AIReadの活用を啓発しつつ、石原産業全体の業務プロセス標準化を推進する意向を明らかにしている。

ニュースリリース


#AIRead #AIOCR #DigitalTransformation #BusinessEfficiency #SaaS #IshiharaSangyo