カインズ、AIでバイヤー商談を可視化 記録業務を週150分削減へ

2026年8月21日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 カインズは、商品統括本部のバイヤー業務に変革を起こすため、Salesforce入力エージェント「bellSalesAI」を採用した。8月20日、ベルフェイスが発表した。商談記録の自動化により記録業務の効率化とコンプライアンス強化を図る。蓄積したデータを活用する基盤を整え、データドリブンなバイヤー組織への移行を目指す。

 ホームセンター業界最大手のカインズは、店舗においてモバイル端末を活用した情報検索や業務改善の仕組みを整えてきた。こうしたデジタル活用の領域をバイヤー業務にも広げ、働き方改革や生産性向上を進める構想を描いていた。また、取引先との信頼関係維持や適切な取引推進に向け、価格交渉を含む協議内容を正確に記録・保存するコンプライアンスの強化も求められていた。

 従来の現場では、商談記録の作成や管理が担当者ごとの運用にとどまりフォーマットが統一されていなかった。商談内容が属人化して管理職がリアルタイムに状況を把握できない点や、個人の交渉経験やノウハウが組織のナレッジとして共有・蓄積されない点が課題となっていた。

 複数のAI記録サービスを比較検討し、事業部メンバーによる実証実験を経てbellSalesAIの採用を決めた。選定にあたっては、将来的な商談分析やマネジメント活用を見据えたSalesforceとの連携性、商品カテゴリーごとに異なる商談内容に合わせて要約項目を業務単位で柔軟に設計できる点を評価した。録音から文字起こし、要約までが一連の流れで完結し、現場に負荷をかけず業務に組み込める点も決め手となった。

 bellSalesAIの活用により、従来バイヤー1人あたり週150分程度を費やしていた商談記録の作成時間を削減できる見込みだ。これにより、創出された時間を商品開発や取引先との対話といった付加価値の高い業務へ充てる体制を整える。また、商談内容の共有が容易になったことで、管理職によるタイムリーな助言が可能になったほか、部内会議の記録や若手バイヤー育成の教材としての活用も進んでいる。

 カインズ商品業務本部商品業務改善部業務推進G定着・教育担当の猪狩舞氏は、「バイヤーの仕事の価値は、取引先と向き合い、考え、より良い商品やサービスを生み出すことにある。bellSalesAIの採用はそのための時間と環境を取り戻す取り組みの第一歩だ。商談記録の組織蓄積により、ベテランのノウハウを若手育成に活かす道も開けた。現場の声を反映しながら定着を進め、誇りを持って働ける組織づくりにつなげたい」と語る。

 今後は、商談記録と取引先情報や実績データをSalesforce上でひも付けて管理するデータ活用基盤の構築を進める。将来的にはAIエージェントを活用した商談準備支援や意思決定支援も見据えており、段階的なデータ活用を推進する。

ニュースリリース