ゼロは、基幹システムの国産ERP「GRANDIT」をバージョンアップするとともに、帳票電子化・Web配信サービス「eco Deliver Express」を採用した。GRANDITの開発・販売を担うコンソーシアムの運営事務局を務めるインフォコムが、8月20日に発表した。紙を中心とした請求業務のペーパーレス化や月次締め業務の省力化、運用の属人化解消を図る。
ゼロは自動車輸送や整備、中古車オークションの運営などを全国規模で展開している。同社は2014年にGRANDITを採用し、2018年にはグループ子会社5社へ展開していた。長年の運用を経て、法改正やメンテナンスに伴う工数の増加、保守対応の属人化が課題となっていた。さらに、外部委託による紙の請求書発送で顧客到着までに約1週間を要していたほか、Excelベースの手作業による予算実績管理、月間60万件超のデータ連携に伴う夜間バッチ処理の遅延など、現場の負荷も限界に達していた。
今後の事業成長に耐えうる基盤を再構築するため、他社製品も含めた比較検討を実施。他社システムへの全面刷新は立ち上げ期間が長期化する懸念があったため、これまでの実績と移行の確実性を重視し、GRANDITの新バージョンへの移行を決断した。導入にあたっては、プライムパートナーであるベニックソリューションが支援を担当した。
プロジェクトでは要件定義を丁寧に進め、手作業が介在する一部システムの直結は見送る一方、受領請求書データの連携や経費精算システムの自動連携、eco Deliver Expressによる請求書配信自動化へとリソースを集中させた。開発からテストの過程では検証環境の構築遅延などの課題も生じたが、優先順位を再設計してスケジュール通りに本番切替を完了させた。
新バージョンの稼働により、eco Deliver Expressの活用と稟議のデジタル化が進み、稼働後5カ月で請求書約3万枚、申請関係約1万枚の合計約4万枚におよぶペーパーレス化を達成した。書類保管スペースの縮小による賃料コスト削減も見込んでいる。
また、新規開発した明細取り込み機能によって、1伝票あたりの作業時間が数十分から約5分に短縮。仕入計上の自動連携なども加わり、子会社各社の締め業務が1社あたり約1営業日短縮された。約100社の取引先に対する受入・検収明細の送付業務も自動化され、システム部門の作業工数はほぼゼロになった。保守体制もチーム制へ移行し、24時間365日のサポート体制を確立した。
今後は、eco Deliver Expressの顧客登録数を増やして紙の郵送をゼロに近づけるとともに、蓄積したデータを活用したデータ分析や経営判断への貢献といった付加価値業務へのシフトを進める。