カラオケボックスチェーンを展開するシン・コーポレーションは、請求書の仕訳明細入力を自動化するため、TOKIUMが提供する「TOKIUM AI明細入力」を採用した。6月24日、TOKIUMが発表した。すでに導入している請求書受領クラウドと組み合わせ、手作業による入力業務を削減することで、月次決算業務を1営業日短縮し、年間約480時間の工数削減を見込む。データ入力の自動化により、特定の担当者に依存していた体制の解消や、入力ミスの抑制といった効果が出始めている。
シン・コーポレーションは、カラオケボックスチェーン「カラオケBanBan」を中心にアミューズメント施設を全国463店舗(2026年4月時点)で展開している。店舗ごとに家賃や光熱費、修繕費などの請求書が発生するため、本社経理部が処理する請求書は月に1000件以上にのぼる。同社は先行して「TOKIUMインボイス」を導入し、紙や電子などさまざまな形式で届く請求書の受領・データ化の電子化を進め、郵便物の開封や社内での請求書回収業務を解消させていた。
しかし、請求書自体の受領はデジタル化できても、会計仕訳に必要な明細の入力は依然として手作業で行う必要があった。同社は店舗数が多いため、一つの取引先から100から200店舗分の請求が1枚にまとまり、明細行が1000行を超え、最大で3000行に及ぶ請求書も存在していた。こうした大量の明細入力には月に2から3営業日を要し、1件の処理に4時間以上かかることもあった。さらに、請求書ごとに入力ルールや記載内容の判断が異なり、特定の担当者に依存する業務の属人化が大きな課題となっていた。
選定において決め手となったのは、ユーザーが画面上で修正した内容をAIが自動で学習し、次回以降の入力に反映する機能だ。使い続けるほど精度が高まり、担当者の判断や工夫に頼っていた明細入力をAIが一定の品質で代行できるようになる点を評価した。また、前月の請求書データからフォーマットを自動生成するため、事前の細かい指示設定を作り込む必要がなく、導入の立ち上げが容易である点も採用を後押しした。
現在は経理部内で約100件の請求書を対象に運用を開始している。従来はExcelに明細を打ち込んだ後、さらに会計ソフトに入力する二段階の作業を行っていたが、導入後はシステム上で直接会計仕訳を作成できるようになり、手作業の時間が削減されている。AIが入力した内容を人が確認する流れに変えることで、ヒューマンエラーの抑制や、担当者が替わっても業務品質を維持できる体制づくりが進んでいる。
同社経理部部長の秋山太郎氏は、「明細を手入力で会計ソフトに転記する業務の本質は、何十年も前から変わっていない。当社は今後も店舗網を拡大していく予定だが、組織が拡大しても経理の工数が店舗数に比例して増えていく構造であってはならないと思っている。今後はAIを活用し、組織の成長を経理部が支えられる体制を作っていく」とコメントしている。今後は経理部内での利用を順次拡大し、最終的には届くすべての請求書をAIで処理することを目指す。