地方銀行の山陰合同銀行は、行内業務に特化した独自の生成AIエージェントのデータ基盤として、インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 業界チャネル」を採用した。6月24日、インフォマートが発表した。専門コンサルタントが作成した業界レポートをAIの参照データとして連携させることで、営業担当者の訪問前準備にかかる時間を従来の1時間から30分程度に半減させた。2026年4月1日より本格運用を開始している。
山陰合同銀行は、地域顧客の経営課題解決に向けたコンサルティング機能の強化を図り、法人営業の効率化と若手行員のスキル向上を狙いとして、独自の生成AIエージェントの活用を進めていた。しかし、一般的な生成AIの活用においては、出力される回答が一般的な概要にとどまり、実際の商談で使える具体的な提案仮説に至らない点が課題だった。また、業務利用の障壁として、もっともらしい嘘を出力するハルシネーションが発生する問題もあり、より実践的で信頼性の高いアウトプットを得るには、最新かつ正確な業界情報の確保が不可欠となっていた。
そこで同社は、政府や企業の公式情報をもとに専門コンサルタントが分析した「BtoBプラットフォーム 業界チャネル」のデータをAIに連携する方針を採った。158業界を網羅する高品質なレポートデータが、AIの回答精度と具体性を高める信頼できる情報源になると判断し、採用を決めた。
同システムの運用開始により、生成AIが専門データを参照して顧客が属する業界の動向や課題を的確に抽出可能となった。これにより、営業担当者の訪問前準備における情報整理や提案の仮説構築が高度化し、準備時間は1回あたり約1時間から半分となる30分程度へと削減された。
また、確かなデータをベースにAIが要約・出力を行う仕組みを確立したことで、懸念されていたハルシネーションを防ぎ、業務利用における高い信頼性を担保している。若手行員であっても、生成AIの出力結果を参照することでベテラン行員に近いレベルの業界知見を瞬時に得られるようになり、これまで属人化しがちだった業界ノウハウを組織全体で標準化し、行員全体のコンサルティングスキルを底上げする体制が整った。
今後は、この連携基盤をさらに活用し、特に経験が浅い行員の育成体制の標準化や高度化を進めるとともに、顧客へのより深い提案活動を推進し、地域密着型のコンサルティング営業をさらに強化していく。