東北電力、自己解決AIでカスタマーセンターの入電量を約20%削減

2026年7月8日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東北電力は、引越しシーズンにおける電話のつながりにくさの解消や顧客体験の向上を目的に、Helpfeelの自己解決AI「Helpfeel」を採用した。7月7日、Helpfeelが発表した。検索性の高いシステムの構築により、導入から10カ月で月間16万PVの利用が定着し、カスタマーセンターへの入電量を前年比で約20%削減することに成功した。

 東北電力は、東北6県と新潟県を中心に低圧の電力契約で600万口以上の顧客基盤を持つライフインフラ企業だ。電力小売の全面自由化以降、市場競争が激化するなかで、問い合わせ対応をはじめとする顧客体験の質が企業選定の重要な要素となっていた。

 同社では、新生活が始まる3月の引越しシーズンに電気の契約申込や利用開始に関する問い合わせが急増し、カスタマーセンターの席数を大幅に増設しても入電を受け切れない時間帯が発生していた。しかし、従来のFAQサイトは検索機能がなく情報を羅列する構成だったため、ユーザーが必要な情報にたどり着けず、結果として電話への依存から脱却できない状況が続いていた。また、アクセスログなどのデータが取得できず、客観的なデータに基づいたサイト改善に着手できないことも課題だった。こうした背景から、24時間365日いつでも自力で疑問を解消できる環境を整えるため、システムの刷新を決めた。

 採用にあたり、言葉の揺らぎを吸収して確実に回答へ導く意図予測検索機能の高さや、Webの専門知識がなくても現場のオペレーターが直感的に操作・更新できるメンテナンス性を評価した。プロジェクトは2024年10月下旬に情報収集を開始し、関係部門との連携により2025年3月の最繁忙期前のリリースを実現した。

 同システムの導入効果として、旧FAQに比べて閲覧数は10倍以上の月間16万PVに増加し、検索エンジンからの自然流入は従来の32倍に拡大した。これによりユーザーの自己解決が進んだため、電話問い合わせ数は約20%減少し、カスタマーセンターの応答率も改善した。不要な入電が減ったことで、有人対応が必要な複雑な相談に対してより丁寧に向き合えるようになり、組織内でも「まずはWebで自己解決し、必要なものだけ電話対応する」という役割分担が定着し始めている。また、AIによるVoC分析ツールも導入し、膨大な電話応対ログをAIで分析して入電要因を可視化する取り組みも進めている。

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自己解決できる問い合わせのイメージ

 今後は、カスタマーセンター全体をAIで自動化するオートパイロット化の実現を目指す。その前段階として、これまで数百ページにおよぶ紙のマニュアルに頼っていた実務知見や応対フローのデータ化を進め、AIがすぐに参照できるナレッジ基盤の構築を推進していく。

 東北電力販売カンパニーリビング営業部の熊谷貴大氏は、「将来的なAI活用を成功させるためには、AIが活用しやすい形で情報を整理・構造化し、ナレッジ化しておくことが不可欠だ。一見すると遠回りに思えるかもしれないが、このナレッジ基盤の構築こそがAI活用を成功へ導く最も重要な取り組みになると考えている」と話している。

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