東京都競馬およびグループ会社のeパドックは、南関東競馬ファン向けの新サービス「nankan BOX」の開発にあたり、システム開発ベンダーとしてテックファームを選定し、同社が独自に構築した「AI駆動開発」手法を採用した。7月28日、テックファームが発表した。開発工数を従来比で50%削減し、生産性約2倍およびバグ発生数約20%削減した。限られた開発期間の中で、ファン層拡大に向けたエンタメコンテンツの迅速かつ高品質なサービスインを実現した。
地方競馬の公式投票サービス「SPAT4」の運営支援などを手がけるeパドックは、従来の競馬ファンにとどまらないライト層や若年層のファン拡大を目指し、エンタメ性の高いコンテンツを提供する新ファンサイトnankan BOXの立ち上げを企画した。一方で、短期間での立ち上げが求められる中、競走馬の複雑な過去データからAIコンテンツを生成するロジックの実装や、多様なエンタメ機能の導入、ユーザー受け入れテスト時の柔軟な仕様変更に対応できる開発体制の確保が課題となっていた。
こうした背景から、サービスの企画段階からUI/UXデザイン、システム開発、運用までを一気通貫で支援できるパートナーとしてテックファームを選定した。開発手法には、仕様明確化を重視する仕様駆動開発を核とし、要件定義や設計、実装、テスト、プロジェクトマネジメントといった全工程にAIを活用する「AI駆動開発モデル」を採用した。AIがコード作成やテストケース生成などを迅速に行い、人間がレビューと承認を担う体制を整えた。さらに、自由度の高いフルスクラッチ開発とノーコード・ローコードツールを組み合わせるハイブリッドアプローチを取り入れた。
新たな開発モデルの適用により、開発工数を従来の半分に削りつつ品質向上を達成した。受入れテストの段階で生じた追加の機能要望や急な仕様調整に対しても、AIの活用によって迅速に対応し、予定通りのスケジュールでサービス公開へとつなげた。今後はサイトの運用フェーズにおいてもAI活用を推進し、さらなる機能拡充と安定運用の維持を図る。
eパドック 取締役の岡本和也氏は、「今回のプロジェクトでは、企画段階から開発、リリースに至るまで伴走してもらい、安心感を持って進めることができた。仕様変更が発生する場面でも最適な提案を受け、スムーズに意思決定が行えた。事業上の位置づけや価値を深く理解し、ともにより良いサービスをつくる共創力が大きな強みだと感じている」と語っている。